2008年4月17日
菩提樹を見上げるファリドさん
タキシラ博物館の庭に1本の菩提樹(ぼだいじゅ)が立っている。元は、ブッダが悟りを開いたインドのブッダガヤから紀元前3世紀にスリランカに移植されたものだ。その苗木を、1963年に同国を訪れたアユブ・カーン大統領(当時)が譲り受けた。植樹したズルフィカル・アリ・ブット外相(同)は、昨年末に暗殺されたベナジル・ブット元首相の父である。
「この木を見ると感謝の気持ちでいっぱいになる。仏教のシンボルを守ることは、私が信じるイスラム教を大事にすることにもつながる」。庭師のファリドさん(40)は5メートルに育った木を見上げた。日本や韓国から訪れる観光客は「記念に」と落ち葉を拾っていくという。
ただ、外国人観光客は減少の一途だ。06年は毎月700〜900人だったが、ブット氏暗殺後はわずか50〜60人ほど。「本来は穏やかな国なのだが……」。バハダル副館長の顔色はさえない。