2008年4月18日
国道脇の石畳
タキシラの手前のマルガラ峠。国道のすぐ脇に、石畳の古道が人知れず残っている。ムガール帝国の支配権を一時奪ったスール朝の支配者シェール・シャーが、16世紀に造った街道だ。
アフガニスタンとインドを結ぶ約3千キロの大動脈。「王の道」とも呼ばれた。現存するのは幅6メートル、長さ100メートルほど。馬車のわだちなのか、表面に白い線が刻まれた石もある。シェール・シャーも象に揺られてここを通ったという。
峠には30店ほどの商店が軒を連ねる。宿場町の名残だが、石畳の由来を知る人はほとんどいない。「あの道がそんなに珍しいかね」と、食堂を営むリアカットさん(38)。
ひとり旅情に浸っていたら、派手に警笛を鳴らしたトラックが国道を爆走してきた。頭の中に響いていた馬のひづめの音が、かき消されてしまった。
(文と写真・北川学)