2008年4月22日
黄山
花崗岩(かこうがん)が露出した絶壁にしがみつくように生える無数の松。風が松林を吹き抜ける時、荒波が打ち寄せるようなゴーという音が響き渡る。観光客は浮世離れした風景にため息をつく。水墨画から抜け出したような黄山は中国人の心の古里だ。
標高1864メートルの蓮花峰を筆頭に約80の峰がある。世界遺産で、人気観光地を選ぶ政府アンケートでも1位に輝く。伝説の帝王「黄帝」が仙人になった山があると聞いた唐の玄宗帝が名付けたという。李白も詩を残した。文革後に復帰したトウ小平(トウは登におおざと)も79年に訪れ、絶景を前に改革開放政策の未来に思いをはせた。
黄山にまつわるエッセーを発表しているエッセイスト程亜星さん(41)は「絶壁の松は、厳しい環境を生き抜いてきた中国人の象徴です」。(文と写真・西村大輔)