2008年7月22日
地震の影響で倒壊した園内を観光する人たち=28日午後、四川省都江堰市、岩崎央撮影
三国志の英雄たちも、きっと嘆いているに違いない。四川大地震の直撃を受けた街は、かつて豊かな土地「天府」と呼ばれた蜀の国の一角を占める。名前の由来にもなった堰(せき)の歴史は紀元前3世紀から。当時の水利技術の最高傑作として世界遺産にも指定された。
堰は、がれきの山が生々しい街の上流にある。豊かな岷江の流れを二手に分け、下流の一帯を潤すと同時に洪水から守ってきた。地震で施設の一部が損壊、対岸の古い寺院群も壊れたが、修復を待たずに観光客の受け入れが始まっている。
就職で四川省を離れる曽凡挺さん(23)は「ぜひ見ておきたくて。テレビで見るより被害はひどかった。美しい街なのに残念」。そう言って写真を撮り続けた。(文・小林哲)