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21世紀は新興市場国の世紀に――G20、世銀、IMFの未来

2010年7月10日発売号

    スチュワート・M・パトリック/米外交問題評議会シニアフェロー 国際機関およびグローバル統治プログラム責任者

    ■新興市場国と先進国が共存できる秩序を

     21世紀の世界が直面している困難な課題をめぐって多国間協調を実現できるだろうか。

     そうできるかどうかは、世界の主要国の利益と世界観に左右される。しかし、どの国が主要国で、主要国は何カ国なのかという条件がいまや変化している。

     当然、多国間協調にとっての新しい課題と機会がともに作り出されていると考えるべきだ。

     新たに主要国の仲間入りをしつつある新興市場国を、ルールに基づいた国際関係システムに組み入れていくことは大きな利益となる。現在、主要新興市場諸国のなかに既存秩序を覆そうとする強いリビジョニズム志向が見当たらないことは朗報だろう。

     とはいえ、これらの国々はそれぞれある程度はリビジョニスト(現状変革)パワーとしての側面も持っている。現在のグローバルな安全保障と経済関係を規定している構造と規範を自国に都合のよいものへと変えていきたいと望んでいる。最終的には、アメリカ、ヨーロッパ、日本のようなすでに確立されたパワー、そして、中国、インド、ブラジルのような新興市場大国、さらには新興のミドルパワーの間でタフな取引と交渉が行われ、その結果、新しい秩序が形成されていくことになるだろう。

     われわれは、これらの新興市場国が思い描くグローバルな機構・制度改革のビジョンと優先課題がどのようなものかを理解しようと,一連の国際会議を開催してきた。すでにリオデジャネイロ、北京で会議を開催し、今後、ニューデリーでも会議を開催する予定だ。

     これらの国際会議で分かったことがある。それは、現在の新興市場諸国は自国のグローバルな役割について矛盾した考えを持っているということだ。

     新興市場諸国はゲームルールを変えて、グローバル統治構造における発言力を強化したいと望みつつも、一方では、自国を途上国と定義することで、負担と義務が大きくなること、特にグローバルな公共財を提供し、財政的な負担を強いられるようになることを警戒している。

     今日は、グローバル経済がどのように機能しているのか、そしてそのトレンドが多国間協調とグローバルな制度改革にどのような影響を与えるのかという2点が議論される予定だ。

     例えば、2008年後半の金融危機はグローバル経済と金融システムにどのような影響を与えているだろうか。G20が主要な国際フォーラムになったことからも明らかなように、われわれはすでに変化を経験している。G20は今後、グローバル経済を議論する主要な組織になっていくはずだ。さらに主要国の金融当局による金融安定化理事会(FSB)も新設された。

     G20はこれまでのところグローバル経済危機を前に結束して対応してきたが、世界が経済危機から抜け出していくにつれて、これまでのような結束を維持できるだろうか。既存の経済大国と主要新興市場諸国は、グローバル経済の不均衡(グローバル・インバランス)という問題にうまく対応できるのか。新興市場諸国は、G20の役割とG8との関係について同じビジョンを持っているのか。新興市場国と先進国は世界銀行とIMFの統治改革に合意できるのか。貿易自由化交渉の再開に前向きで、この点での考えを共有しているのだろうか。

     それでは、グローバル経済と金融システムについて討論を。

        ◇

    邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

     <フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年7月号掲載>

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