現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. フォーリン・アフェアーズ リポート
  5. 記事

ドイツ経済モデルの成功 ―― 他の先進国が見習うべき強さの秘密とは

2011年07月10日発売号

    スティーブン・ラトナー/前米財務長官顧問

    ■復活した輸出大国

     アメリカ人は一向に解決しない経済問題、特に、高い失業率への苛立ちを高めているが、ドイツはまったく逆のムードに包み込まれている。他のユーロゾーンにおける経済危機も、中東の不安定化も、ドイツの財界指導者や政治指導者の自信と確信を揺るがすことはない。それは、大きなコストを要した東ドイツの再編・統一後の20年を通じて、「再び経済的巨人として地位を確立した」という自負に他ならない。

     こうしたドイツの楽観主義には応分の根拠がある。アメリカでは、最近のリセッションに入って以降、2007年に4.6%だった失業率が2011年には9%へと上昇したのに対して、ドイツの同時期における失業率は逆に8.5%から7.1%へと減少している。

     1992年以降でみると、ドイツの失業者数はいまや初めて300万人を下回っている。2011年の年頭教書演説で、オバマ大統領は輸出を倍増する必要があると表明したが、この時期までには、ドイツは中国に次ぐ世界2位の輸出大国の座を手に入れていた。

     実際、この10年間におけるドイツの経済成長の3分の2は輸出増大によるものだし、他のいかなる先進国よりも高い一人あたりGDP の伸び率も輸出のおかげだ。

    主要先進国では、この数十年にわたって「輸出を拡大するには、製造業の規模を維持するか、増大させるしかないと」考えられてきた。政治家も有権者も「何かをつくる会社を国内に持っていることが経済的成功の鍵だ」と考えていた。これは、一つには、製造業の平均賃金が他の産業に比べて高かったことと無関係ではない。ドイツは製造業を大切にし、この決定が経済的成功に大きな貢献をしている。

        ◇

    Steven Rattner 前財務長官顧問で、オバマ政権の自動車産業再編に関する首席アドバイザーを務めた。ニューヨークタイムズ紙の記者を経て、金融界に転じ、リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーを経て、ラザード・フレールの副理事長を務めた。現在は、ニューヨーク市のブルームバーグ市長の資産運用アドバイザーを務めている。

     <フォーリン・アフェアーズ・リポート2011年7月号掲載>

    (C) Copyright 2011 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

    PR情報
    検索フォーム

    フォーリン・アフェアーズ リポート バックナンバー


    朝日新聞購読のご案内
    新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
    • 中国特集