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それでもユーロは存続する ―― 欧州版IMFとしての欧州中央銀行のポテンシャル

2012年10月10日発売号

    C・フレッド・バーグステン/ピーターソン国際経済研究所所長

    ■危機は誇張されている

     ユーロの先行きに暗雲が立ち込めるなか、ますます多くの評論家やエコノミストが共通通貨ユーロの存続を疑問視し始め、世界経済はより深刻な危機に陥る瀬戸際にあると考えている。

     たしかにユーロ圏は深刻な経済・金融上の問題に直面しているし、ネガティブな相互作用をする一連の危機のさなかにある。第1の問題は、ギリシャ危機に象徴される、ユーロ圏南部諸国とアイルランドに波及している財政危機。第2の問題は、周辺国が抱える膨大で慢性的な経常赤字、さらにはユーロ圏内における経常収支インバランスからも明らかな競争力ギャップが引き起こす危機。そして第3の問題は、アイルランドで発生し、現在はスペインを脅かしている銀行危機だ。

     問題は山積しているとはいえ、債務不履行(ディフォルト)に陥る国が続出するとか、ユーロが完全に崩壊するといった懸念は大きく誇張されている。ユーロ圏諸国はこれまで、協調と意思決定を共有することで、一連の危機ステージを一つずつ克服してきたわけで、今後も危機を乗り越えられるはずだ。

     すでにユーロ圏諸国は、ヨーロッパをカバーする一連の新制度を導入しつつある。債務問題の波及を防ぐ大規模なファイアウォールをめぐらし、現在は銀行同盟、そして部分的ながらも財政同盟の構築も目指している。状況が落ち着けば、共通通貨、そしてヨーロッパ統合プロジェクトは生き残るだけでなく、より堅固な基盤をもつプロジェクトとして再生されるだろう。

        ◇

     C. Fred Bergsten ピーターソン国際経済研究所所長。1977―81年に米財務省国際問題担当次官補。1969―71年も米国家安全保障会議国際経済問題担当補佐官を務めた。

    〈続きはフォーリン・アフェアーズ・リポート10月号〉

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