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増税か歳出削減か ―― なぜアメリカの貧困率は高いのか

2012年10月10日発売号

    アンドレア・ルイス・キャンベル/マサチューセッツ工科大学教授

    ■民主、共和党の経済と課税への認識

     今日のアメリカ政治におけるもっとも重要な争点は「政府の役割と歳出」であり、このテーマをめぐって論争が起きている。共和党は減税策を維持し、歳出を減らして債務を削減していくことを重視し、一方の民主党は政府支出のレベルを維持するか、拡大し、そのための増税策を模索している。

     依然として経済が停滞するなか、ジョージ・W・ブッシュ大統領が導入した減税策が2012年12月で失効するだけに、この論争は重要な意味をもつ。実際、今後数カ月間で下される決断が、長期にわたってアメリカの経済、社会、そして政治的な軌道を形作ることになる。

     圧力団体の影響だけでなく、経済領域での政府の役割がどうあるべきかについての認識の違いが、民主、共和党の党派対立として先鋭化している。民主党は「政府は経済領域でより積極的な役割を果たすべきだ」と考え、増税、規制強化、経済成長のための政府支出を提唱している。対照的に共和党は「政府はすでに経済に関与しすぎている」と考えている。政府の役割をもっと小さくして、より多くを市場メカニズムに委ね、経済ダイナミズムを刺激すべきだと主張している。

     これらの立場を考える上で、財政が長期的にどうなるかという視点をもつことも重要だ。他の先進国と比べて、アメリカの税率は低く、所得の再分配機能も弱い。しかも税制は驚くほど複雑だ。この三つの特有な側面に焦点をあてる必要がある。

        ◇

     Andrea Louise Campbell マサチューセッツ工科大学教授(政治学)。専門はアメリカ政治。社会保障政策、医療政策、課税政策などを通じた政治分析を行っている。著書にHow Policies Make Citizens: Senior Citizen Activism and the American Welfare State (Princeton, 2003)がある。

    〈続きはフォーリン・アフェアーズ・リポート10月号〉

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