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緊縮財政時代の米国防戦略 ―― 日本の安全保障とA2・AD戦略

2012年12月10日発売号

    アンドリュー・F・クレピネビッチ/戦略・予算分析センター会長

    ■新戦略への厳しい決断を

     米軍は今後10年にわたって、60年前の核兵器の登場以降、もっとも劇的な戦略シフトを経験することになる。今後、国防予算が削減されていくにも関わらず、戦力の展開・維持コストは高くなり、守らなければならないアメリカの利益は広がりをみせていく。当然、厳しい選択を議論するだけでなく、現実に下さなければならない。イギリスの物理学者アーネスト・ラザフォードがかつて彼の同僚に語ったように「カネはないのだから、知恵を絞るしかない」

     これまでのように国境を越えた軍事侵略の阻止、(問題国の)体制変革、大規模な安定化作戦の遂行ではなく、むしろ、アメリカの安全と繁栄に不可欠な重要地域とグローバルな公共財へのアクセスを維持することに焦点を合わせた戦略をとるべきだ。この場合、特定の安全保障目的の優先順位を引き下げ、一部の領域ではより大きなリスクを引き受けざるを得なくなる。しかし、重要地域とグローバルな公共財へのアクセス保障に焦点を合わせれば、真に重要なアメリカの利益を持続可能なコストで守ることができるはずだ。

        ◇

     Andrew F. Kurepinevich, Jr アメリカの国防政策分析者で、米陸軍を経て、現在は、戦略・予算分析センター会長。ウエストポイントを卒業後、米陸軍に勤務し、この間に3人の国防長官のスタッフを務めた。陸軍時代にハーバード大学で博士号を取得した後に出版した、The Army and Vietnamは大きな話題となった。2009年には7 Deadly Scenarios: A Military Futurist Explores War in the 21st Century,を出版し、中国の軍事力増強、イランの核開発、精密誘導兵器の拡散が何を意味するかを分析している。同様のテーマでフォーリン・アフェアーズ誌でも「米軍は東アジア海域とペルシャ湾に介入できなくなる?――危機にさらされる前方展開基地と空母」(フォーリン・アフェアーズ・リポート2009年9月号掲載)を発表している。

    〈続きはフォーリン・アフェアーズ・リポート12月号〉

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