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中国の台頭は続く ―― 共産党の強さの源泉と中国モデルの成功

2013年1月10日発売号

    エリック・X・リ/ベンチャーキャピタリスト、政治学者(上海在住)

    ■中国の衰退はあり得ない

     2012年11月、第18回全国人民代表大会を開いた中国共産党は、10年に一度の権力移行プロセスに着手した。予想通り、習近平(シー・ジンピン)が共産党中央委員会総書記に選ばれ、2013年3月には彼が国家主席ポストに正式に就任する。今回の権力移行プロセスは、台頭する超大国としての自信を裏付けるかのように、スムーズでうまく調整されていた。

     とはいえ、国際的メディアだけでなく、中国の一部知識人までもが、これを危機のなかの権力移行と描写した。全人代が開催される直前、エコノミスト誌は、中国社会は「グラスルーツレベルでひどく不安定化している。中間層は意気消沈し、指導層は制御不能な状態に陥っている」とする中国人研究者のコメントを、名を伏せて引用している。

     たしかに、重慶市党委員会書記として大きな権力をもっていた薄熙来(ポー・シーライ)のスキャンダルによって、1989年の天安門事件以降、国内の政治的安定を支えてきた共産党の一体性が揺るがされたのは事実だろう。

     さらに悪いことに、20年にわたって2桁台の成長を続けてきたGDP(国内総生産)の拡大ペースもここにきて鈍化し、中国経済は7四半期連続で減速している。急速な工業化を目指す経済モデル、労働集約型の製造業、政府による大規模なインフラ投資、そして輸出拡大策という一連の経済戦略の効果がゆっくりと失われつつあるかにみえたとしても不思議はない。

     内外の中国の専門家のなかには、「共産党による一党支配体制の終焉」を予測する者もいる。彼らは「驚異的な経済成長を持続できなくなれば、共産党はもはや存続できない」と考えている。

     だが、そうした悲観主義は間違っている。非常に大きな課題が習近平を待ち受けているのは事実だろう。だが、共産党がそうした課題に対処できないと考えるのは、大きな間違いだ。高い適応能力と能力主義の文化、そして民衆の支持に支えられた正統性をもつ共産党は、中国の病にダイナミックかつ柔軟に対処する力をもっている。

     衰退するのではなく、今後の10年間も、中国は台頭を続けるだろう。新指導層は一党支配体制をさらに固め、このプロセスを通じて、政治的発展と民主化に関する欧米での一般通念を覆していくことになるだろう。世界は、北京においてポスト民主主義の未来が開花するのを目撃することになるはずだ。

        ◇

     Eric X. Li 中国の政治学者で上海に拠点をもつベンチャー・キャピタル企業チェンウェイ・キャピタルのマネージング・ディレクター。シンクタンクのディレクターも兼務。中国に生まれ、シリコンバレーのベンチャーキャピタルに勤務した後、中国で初めてのベンチャーキャピタル、チェンウェイ・キャピタルを1999年に設立した。

    〈続きはフォーリン・アフェアーズ・リポート1月号〉

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