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アメリカの衰退を考える ―― ネオリベラル対ネオコンサーバティブ

2013年1月10日発売号

    ロバート・コヘイン/プリンストン大学教授(国際関係論)

    ■悲観主義VS楽観主義

     世界政治で大きな役割を担うのは容易ではない。非常に力強い国でさえも解決できない問題、避けて通りたい問題に遭遇するものだ。だが、魔女をみた後にマクベスが口にしたように、「忌まわしいことをあれこれ考えるよりも、目の前にある恐怖のほうが、まだましなのかもしれない」。実際、アメリカ外交の専門家が頭を抱え込むのは、何かがうまくいかなかったり、失敗したりしたときよりも、むしろ、「長期的なアメリカの衰退」というビジョンを前にしたときだ。

     研究者ジョセフ・ジョッフェによれば、最近のアメリカは「この60年間で5度目の衰退論の台頭という社会現象に直面している」。今回のアメリカ衰退論は、アメリカの経済、政治、軍事力の停滞が中国の台頭と時を同じくして起きていることが、その背景にある。とはいえ、これまで同様に悲観主義の台頭は、一方での楽観主義を育むもので、事実、アメリカのグローバル・リーダーシップの価値と可能性を前向きに評価する議論もある。その好例が、ここで取り上げる2冊、ロバート・ケーガンの『アメリカが創った世界』とロバート・リーバーの『アメリカの未来におけるパワーと意思の力』だ。

     ともに、既存のアメリカが支えるグローバル秩序の過去、現在、未来の分析をめぐって力強い認識を示している。だが、二人は秩序の維持に多国間機構が応分の貢献をしていることも、秩序における物理的パワーの役割についても認めていない。アメリカの将来について自信過剰な見方を示しているがゆえに、結果的に、彼らによる世界政治の現状分析の価値そのものが損なわれている。

        ◇

     Robert O. Keohane アメリカの政治学者でプリンストン大学教授。

    〈続きはフォーリン・アフェアーズ・リポート1月号〉

    (C) Copyright 2012 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

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