日本の歴史教育も転機を迎えようとしている。
安倍晋三首相は4月、国会でこう語った。
「戦後、歴史や伝統や文化、郷土そして国に対する敬意が、むしろないがしろにされてきたという私の問題意識がある。まさにその中で、教育基本法が改正された」
昨年暮れ、戦後初めて改正された同法は「伝統と文化を尊重し」「我が国と郷土を愛する」態度を養うことを掲げた。今国会では学校教育法改正案が成立する見通しで、文部科学省は学習指導要領を今年度にも改定する考えだ。
図にある通り、日本の中学校の歴史授業のコマ数は中国や韓国の半分ほど。教科書の厚さは半分にも満たない。年間の総授業数が少ない上、社会科の中では地理、歴史、公民の3分野をほぼ均等に教えているからだ。さらに高校では必修のはずの世界史の「履修漏れ」も明らかになった。
伊吹文明文部科学相は国会審議で、高校で選択科目になっている日本史の必修化を検討する考えを示している。「歴史的事実を教えることで、国を愛する態度が養われてくる」と語った。
歴史教育の変遷に詳しい明治大の山田朗教授は「戦後の歴史教育は戦前の反省から出発したが、一国主義に回帰しようとする動きがあり、注意が必要だ。その上で、受験のためでなく、子どもたちに必要な歴史教育とは何かを議論すべきだ」と話す。
(吉沢龍彦)