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〈教科書を比べる〉

日本―アヘン戦争 あっさりした記述

 東京書籍の「新しい社会 歴史」は「第5章 開国と近代日本の歩み」でアヘン戦争を取り上げているが、その記述はあっさりしたものだ。

 アヘンをきびしく取りしまった清に対し、1840年にイギリスは軍艦を送り、屈服させました(アヘン戦争)。その結果、上海などの港を開かせ、香港を手に入れたイギリスは、さらに、領事裁判権などを認めさせる不平等な条約を清におしつけました。

 教科書全体の内容は日本史中心で、アヘン戦争はあくまで、開国から近代化へと進んだ日本史を理解するための背景という扱いだ。

 1950年代は「進んだヨーロッパ」と「遅れたアジア」という対比で説明していたが、こうした表現はなくなった。現在は、対清貿易の赤字に苦しんだイギリスがアヘン密輸を始めたことを明記している。同社の渡辺能理夫・社会編集部長は「アジアが遅れていたという理解は適切でないという歴史学の見方が反映された結果だ」と話す。

 明治維新については、学習指導要領は「複雑な国際情勢の中で独立を保ち、近代国家を形成していった政府や人々の努力に気付かせるようにする。廃藩置県、学制・兵制・税制の改革、身分制度の廃止、領土の画定を扱う」ことを求めており、どの教科書もこれにそって記述している。

 東京書籍版では、12ページをあてている。領土画定については「国境を決めることは、近代国家としての重要な課題でした」と説明。また、琉球王国を日本に組み入れ、沖縄県とした「琉球処分」も取り上げ、「軍隊の力を背景に、反対する琉球の人々をおさえて、沖縄県を設置しました(琉球処分)」と記述している。

(吉沢龍彦)

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