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〈教科書を比べる〉

日本―「日本側の論理」を説明

 東京書籍の「新しい社会 歴史」では、「日清戦争」は見開き2ページの扱いだが、その直前に「欧米列強の侵略と条約改正」の題で、日清開戦にいたるまでの国際的情勢を詳しく説明しているのが特徴だ。

 列強がアジアやアフリカを植民地化していった動きを「帝国主義」と説明する一方、朝鮮半島の情勢については次のように記述している。

 《朝鮮では、日朝修好条規を結んだ日本と、朝鮮の支配権を主張する清とが、勢力争いをくり広げていました。(中略)1884年に起きた政変以後、清の影響力が強くなると、日本は、欧米列強のアジア侵略が強まるなか、朝鮮に進出しなければ日本の前途もあぶないとし、清に対抗するため軍備の増強をはかっていきました。》

 日本の朝鮮進出は欧米列強に対する危機感から、という説明だ。東京書籍の渡辺能理夫・社会編集部長は「日本の政策にもいろいろな可能性があったが、日清戦争からは日露戦争、朝鮮侵略へと一直線に進んだ。そこで、その前に『日本側の論理』を説明する必要があると考えた」と話す。

 「日清戦争」の項では開戦のきっかけになった農民の蜂起に5行を割く一方、日清戦争は「戦いは優勢な軍事力をもつ日本の勝利となり、1895(明治28)年4月、下関条約が結ばれました」と短い。続いて条約の内容や、列強が清で勢力拡大を競ったこと、日本では三国干渉を受けてロシアへの対抗心が高まったことが書かれている。

 台湾の植民地化に関しては2行しか書かれていない。次の通りだ。

 《台湾を領有した日本は、台湾総督府を設置して、住民の抵抗を武力で鎮圧し、植民地支配をおし進めました。》

(吉沢龍彦)

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