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現在位置:asahi.com >歴史は生きている >2章:日清戦争と台湾割譲 >教科書を比べる > 日本―「日本側の論理」を説明



〈教科書を比べる〉

韓国―抗日の農民運動に焦点

 韓国は、この戦争を「清日戦争」と呼ぶ。世界史を扱う金星出版の「社会2」は「日本の大陸侵略」の項目で簡潔に次のように記述している。

 《江華島条約で韓半島に侵略の一歩を踏み出した日本は、清日戦争で勝利した後、中国から遼東半島と台湾を割譲された。》

 世界史部分ではなぜこの戦争が起きたかは触れていない。それが分かるのは、国定の国史(自国史)教科書だ。清日戦争は、1894年に始まった東学農民運動とそれに続く内政改革の項目に登場する。あくまでも焦点は戦争ではなく、農民運動にあてられている。

 《農民たちは、気勢を上げ、ついに全州(チョンジュ)を占領した。追いつめられた政府は農民軍を鎮圧するため、清に援軍を要請、この機に乗じて日本も我が国に軍を送った。》

 東学農民運動の記述は7ページに及び、日本や清による内政干渉、農民生活の困窮、政府の腐敗という状況で、立ち上がった農民の戦いぶりや運動の意義を詳しく述べる。戦争そのものよりも、戦争のきっかけや、日本軍と戦った朝鮮の農民軍の歴史の方を重視していることが分かる。日本と清が結んだ講和条約についても触れていない。

 《全州和約を結んだ後、農民軍が解散すると、政府は日本軍の撤収を要求した。日本はこれを拒否し、王宮を侵犯し、清日戦争を起こした。日本軍の侵略行為が露骨になると、農民軍は日本軍の打倒を掲げ、再び立ち上がった。》

 国史編纂(へんさん)委員会の具仙姫(ク・ソンヒ)・史料調査室長は「収奪されていた農民が自らの声を上げ、政府に抗議し、改革を要求した運動として韓国の歴史で重要な意味を持つ」と説明する。東学農民軍が、後に日本の支配に抵抗する義兵闘争に参戦し「抗日闘争の伝統を引き継いだ」(国史教科書)という点も重視する理由の一つだ。

(桜井泉)

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