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〈教科書を比べる〉

中国―ブルジョア指導の民主革命

 中国で半数以上の学校が使っているという人民教育出版社の「中国歴史」では、辛亥革命は「近代化の模索」という単元にあり、4ページが割かれている。現在の中国政府が孫文を高く評価していることを反映し、孫文にかかわる記述が多い。東京での中国同盟会の発足についても次のように重く位置づけている。

 《孫中山は革命勢力を団結し、統一的な革命組織である中国同盟会を設立するよう提唱した。(中略)その年の8月、中国同盟会の成立大会が日本の東京で開催された。(中略)同盟会の成立は、全国のブルジョア民主革命運動を大いに推進した》

 学習指導要領にあたる「歴史課程標準」では「孫中山の主要な革命活動を理解し、武昌蜂起を知り、辛亥革命の歴史的意義を探求する」よう求めている。

 5・4運動については、「新民主主義革命の興起」という単元で、1ページと3分の2のスペースが与えられている。「五四愛国運動」という表現だ。パリ講和会議で中国の要求が拒絶されて生まれた経緯を次のように説明している。

 《知らせが国内に伝わると積もりに積もった中国人民の怒りの火が、火山のように爆発したのである!》

 「歴史課程標準」では「ブルジョア階級の指導する旧民主主義革命の終結と、プロレタリア革命の指導する新民主主義革命の始まりを示すものだった」と、革命運動の転換点であったと位置づけている。教科書も「初めて帝国主義と封建主義に徹底的に反対した愛国運動であり、中国の新民主主義革命の始まりとなった」と記述。すぐ次の項では「中国共産党の誕生」を取り上げている。

 一方、3・1独立運動については中国史でも世界史でも一行も触れていない。

(佐藤和雄)

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