日中戦争は、韓国では「中日戦争」と呼ばれ、中学では世界史を扱う「社会2」で取り上げている。
執筆者が取材に応じてくれたティディムドル出版の教科書では、第2次大戦や中国の国民党と共産党の関係など、3カ所にわたって計7行ほど、次のように記述している。
《全体主義国家は積極的に侵略政策を推し進めた。日本は中国を侵略した(中日戦争)》
《中日戦争が始まると、日本は瞬く間に中国の主要都市を占領した。しかし中国人の粘り強い抗争で日本軍は中国大陸に足を縛られてしまった》
《日本が本格的に中国を侵略すると、国民党と共産党は、再び協力関係を結び、ともに抗日戦争を展開した(第2次国共合作)》
執筆者の金陸勲(キム・ユックン)・泰陵高校教諭は「アメリカが日本を破り、第2次大戦が終わったと考える韓国人が多いが、中国民衆の抵抗も日本の敗北に役割を果たしたことを知っておくべきだ」と語る。
韓国では自国史を扱う「国史」は、1種類だけの国定教科書だ。ここでは日本の中国侵略が本格化するなかで、韓国人の独立運動と中国側との協力を重視している。1932年に上海で爆弾を投げて日本の軍人らを殺した尹奉吉(ユン・ボンギル)の「義挙」を取り上げ、次のように書いている。
《日本の侵略を警戒していた中国人に大きな感動を与え、中国政府と中国人が、韓国人の抗日独立闘争に積極的に協力する重要なきっかけともなった》
南京事件については、高校の「世界史」で教えている。金星出版の教科書では、こう記述している。
《(日本は)華北へ進出し、全面的な侵略戦争を始めた。この過程で南京では数十万人の良民虐殺もした(南京大虐殺)》
(桜井泉)