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〈教科書を比べる〉

中国―ファシズム国家との戦い強調

 中国で最も広く使われている人民教育出版社の中学生用教科書では、日本の対米英戦争は「世界史」教科書の「第2次世界大戦」という単元で扱われている。この単元は「第2次世界大戦の勃発(ぼっぱつ)」と「世界反ファシズム戦争の勝利」の二つの課から成っており、14ページにわたる。この中で、真珠湾攻撃など日本に関する部分は計2ページ半があてられ、次の記述から始まる。

 《1941年12月7日未明、日本軍は大量の飛行機を出動させ、宣戦布告しないままアメリカ海軍の太平洋艦隊に対して攻撃した。翌日、アメリカは日本に宣戦布告した。これによって第2次世界大戦の規模がさらに拡大され、世界の大部分の地域と人々は史上空前の残酷な被害に巻き込まれた。》

 日本の教科書と比べて際立つ特徴は、第2次世界大戦をファシズム(全体主義)国家陣営と、反ファシズム国家陣営の戦いと性格づけ、詳しく説明している点だ。

 《ファシズム国家の野蛮な侵略は、世界人民の広大な怒りを引き起こした。アメリカ、イギリス、ソ連などの国々が共同の敵であるファシズムに抵抗するため手をあわせるようになった。》

 《アジアと太平洋の戦場では日本は降伏を拒否した。中国などアジア諸国の人民は日本侵略者に対して猛烈な反攻を行った。》

 中国の歴史教科書に詳しい段瑞聡・慶応大准教授は「中国政府は、抗日戦争が反ファシズム戦争の勝利に貢献したという見解をとっている。国際社会での地位の向上につながったという認識があるからだ」と話す。

 また、教科書は次のような質問を示し、生徒たちに考えさせようとしている。

 《世界で唯一の被爆国である日本は第2次世界大戦の被害者である、という見方が日本にはある。あなたはどう思いますか。》

(佐藤和雄)

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