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〈教科書を比べる〉

韓国―光復軍の戦いぶりを2ページで

 アジア・太平洋戦争は、世界史分野の「社会2」と、韓国史を扱う国定教科書の「国史」の両方で教える。

 広く使われている金星出版の「社会2」は、第2次大戦の経過を、ドイツのポーランド攻撃から原爆投下まで2ページで絵や写真入りで説明。「日本軍、インドシナ侵攻」「日本の真珠湾奇襲」などの項目を立て事実関係を記す。

 執筆者が取材に応じてくれたティディムドル出版の「社会2」は、広島の被爆中学生の手記を紹介している。金陸勲(キム・ユックン)・泰陵高校教諭は「核兵器がいかに恐ろしいか韓国人はよく知らない。侵略国も侵略された国でも、戦争が民衆に大きな苦痛を与えたことを教える」と執筆の意図を語る。

 国史の教科書は、中国にあった大韓民国臨時政府につくられた韓国光復軍の戦いぶりを2ページで記述する。

 《日帝が太平洋戦争を起こすと、大韓民国臨時政府は日本に宣戦布告し、連合軍とともに独立戦争を展開した。このとき、韓国光復軍は中国各地で中国軍と協力して日本軍と戦い、遠くインドやミャンマー(ビルマ)戦線にまで進み、イギリス軍とともに対日戦闘に参加した。》

 さらに《わが民族の積極的な独立戦争は各国に知られ、世界列強は韓国の独立問題に関心を持つようになった。》 《連合国の首脳らが集まったカイロ会談とポツダム宣言で、韓国の独立を約束する土台が築かれた。》と述べ、光復軍の戦いが独立に寄与したことを強調している。

 国史編纂(へんさん)委員会の許英蘭(ホ・ヨンナン)博士は「対日宣戦布告が戦況にどれほど影響を与えたかはともかく、植民地にされていた朝鮮が戦勝国になったことを強調した」と話す。「日本の右翼が、日本はアメリカに負けたのであって植民地朝鮮に敗れたのではない、という論理を展開することがあり、それを批判する意味もある」という。

(桜井泉)

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