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マッコルリ
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日本でも焼肉店、韓国家庭料理店などで定番の酒として親しまれている。アルコール度数が6〜9度程度と飲みやすいので、クイクイいけるのが魅力。飲んでみるとわずかに発泡しており、甘味の中にかすかな酸味を感じる。口当たりがよいので、ついつい飲みすぎてしまう酒でもある。
このマッコルリが最近日本で元気だ。長い間マッコルリというと、店が決めた単一銘柄が「自動的」に運ばれてくるのが当たり前だった。マッコルリはあくまでもマッコルリ。日本酒や焼酎のように、銘柄を選んで飲むことはまずなかった。
ところが昨年あたりから、「黒豆マッコルリ」、「おこげマッコルリ」といった新しい種類を見かける機会が増えてきている。「黒豆マッコルリ」は原料に黒豆が加えられており、普通のマッコルリに比べて甘さが強く、色もほんのりと灰色がかっている。「おこげマッコルリ」は材料におこげを加えたもので、独特の香ばしさがある。今日はどれを飲もうかな、という選択肢が出てきたのは素直にうれしい。
こうしたマッコルリの多銘柄化を受けて、専門店も登場し始めている。今年4月、東京・西新宿にオープンした「マッコリバーてじまぅる新宿店」では、25種類以上のマッコルリをずらりと揃える。社長自ら韓国の地方を回ってマッコルリを飲み歩き、これはというものを仕入れた精鋭揃い。それぞれが個性的な味わいで、店を訪れる客の中には全種類飲んでみせると闘争心を燃やす人もいるとか。
また、東京・銀座では今年7月に「どぶろくバーTORAJI」がオープン。首都圏を中心に展開する「炭火焼肉トラジ」の新業態で、こちらはオリジナルの「TORAJIマッコリ」をはじめとした14種類のマッコルリを販売している。
こうした種類を楽しむ飲み方は韓国でも珍しい。韓国各地には土地ごとのマッコルリが存在するが、それを知って飲み分けている韓国人というのはごく少数派だろう。
銘柄を選んで自分好みのマッコルリを飲む。マッコルリの新しい楽しみ方が、少しずつ日本に定着しつつある。
●マッコルリの魅力
韓国でマッコルリを飲む場合は、民俗酒店(ミンソクチュジョム)と呼ばれる伝統的な雰囲気の店を目指すのが確実。古い民家を模したような店舗で、マッコルリをはじめとした伝統酒を楽しむことができる。ハンアリと呼ばれる甕(かめ)にマッコルリを注ぎ、湯のみ茶碗のようなやや大きめの器で飲む。酒を注ぐのはパガジと呼ばれるひしゃく。現在はプラスチックのものがほとんどだが、かつては半分に割ったヒョウタンを用いた。
相性のよい料理はジョンと呼ばれる料理。薄く切った野菜や魚介類に、小麦粉をつけて焼くか、あるいはお好み焼きのように作ったりもする。いちばんポピュラーなのは細ネギのジョンで、これをパジョンと呼ぶ。日本ではチヂミと呼ばれることも多い。
民俗酒店を訪れるのは雨の日がベストとされる。雨の日にこだわる理由には諸説あるが、雨が降って農作業が出来ない日に、やむなく家にこもってマッコルリを飲んだことに由来するとも。雨の降る日に民俗酒店を訪れ、雨粒の音を聞きながら静かに傾けるマッコルリは、韓国の美しい風情のひとつである。
●店舗データ 地図
マッコリバーてじまぅる新宿店
東京都新宿区西新宿7-10-10 西村ビル地下1階
03-5348-5535
どぶろくバーTORAJI
東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN地下1階
03-3573-2929
コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』、『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』、『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。
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