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コリアうめーや!!

「通」は冬に食べる?

冷麺

2006年11月30日

 日本で食べられる、そば、うどん、ラーメンなどにそれぞれ「通」が存在するように、韓国にもやはり「冷麺通」を自称する人たちがいる。そんな人たちにこだわりを聞くと、冷麺をいちばん美味しく食べられる季節は冬なのだそうだ。冷たいスープに、冷たい麺。聞くだけでも凍えてしまいそうな話だが、意外なことに朝鮮時代に書かれた歳時記(東国歳時記など)をひも解いてみると、冷麺は冬の季節料理として紹介されている。古くから冬に愛されてきたのだ。

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 これは朝鮮半島の家屋にオンドル(床暖房)が備えられており、室内は意外にポカポカと暖かいためでもある。空気も乾燥しがちな気候であるため、キリッと冷えた冬の冷麺は食べてみるとことのほかおいしい。牛肉ベースのスープにコシのある麺。夏の暑い時期に食べる冷麺もおいしいが、冬の冷麺もまた格別なのである。

 日本でも焼肉店、韓国家庭料理店を中心に、冷麺を食べられる店はずいぶんと多くなってきたが、麺を粉から手打ちした本格的な冷麺を出す店となると、これが格段に少なくなる。冷麺の麺は、生地に圧力をかけて細い穴から押し出す方式で作られるため、その特別な機械を店に設置しなければならないためだ。

 東京・浅草橋に本店を構え、赤坂と埼玉県・大宮に支店を持つ「KORYO」は本格的な平壌(ピョンヤン)式の冷麺を出す店。平壌式の冷麺というのは、原料にそば粉を多く使用したもので、麺にはコシを出すためにジャガイモのでんぷんが加えてある。牛スネ肉、豚ヒレ肉、鶏ムネ肉などを6時間じっくり煮込んだスープも絶品だ。

 また、東京・赤坂にある「母心郷チョンギワ」も自家製麺の冷麺を出しているが、こちらは「KORYO」とは異なり、咸興(ハムン)式の冷麺を専門としている。咸興というのは平壌と同じく北朝鮮に位置する町の名前で、この地方の冷麺はそば粉を用いず、ジャガイモ、サツマイモなどのでんぷんで麺を作る。平壌冷麺よりも麺が細く、コシが非常に強いのが特徴。「母心郷チョンギワ」ではサツマイモのでんぷんだけで麺を作る。

スープのある冷麺(ムルレンミョン)も人気だが、咸興式冷麺の真骨頂はピビンネンミョンと呼ばれるスープのない冷麺。辛い薬味ダレを麺の上にかけ、よくかき混ぜて食べる。辛い料理が好きな人にはこちらがおすすめだ。

 身近なようで実は奥が深い冷麺。旬を迎える真冬にこそ、ぜひとも探求して欲しい。

●冷麺の魅力

 韓国には冷麺の専門店も多いが、焼肉店で食べる冷麺もまたおいしい。韓国では焼肉を食べた後に食べるシメの一品を「食事」と称し、テンジャンチゲ(味噌チゲ)やヌルンジ(オコゲにお湯を加えて煮たもの)、そして冷麺を定番料理として食べる。冷麺の冷たいスープは、肉の脂をさっと洗い流してくれるようで大変にさわやか。いい焼肉店ほど、シメの冷麺にまで、しっかりと気を配っているものだ。

●店舗データ 地図

店名:KORYO浅草橋店
住所:東京都台東区柳橋1―12―8朝日MMビル2階
電話:03―3863―0023

店名:KORYO赤坂店
住所:東京都港区赤坂3―16―3伊勢幸ビル2階
電話:03―3586―2033

店名:KORYO大宮店
住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町1―8―3三有ビル地下1階
電話:048―643―4129

店名:母心郷チョンギワ本館
住所:東京都港区赤坂3―15―2
電話:03―3587―1089

店名:母心郷チョンギワ新館
住所:東京都港区赤坂3―12―7赤坂ソシアルビル1階
電話:03―3586―2896


プロフィール

八田 靖史(はった・やすし)
 コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/別ウインドウで開きます)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/別ウインドウで開きます)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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