現在位置:asahi.com>国際>コリアうめーや!!> 記事

コリアうめーや!!

韓国料理のランチ

2007年08月11日

 「先々週から続く残業の嵐に、疲労も蓄積中。たまには身体に良いものでも食べないと……」という書き出しで、友人がインターネット上に日記を公開していた。都内でOLをしている彼女が、その日のランチとして選んだのはサムゲタン。若鶏の腹にもち米、高麗人参、ナツメ、栗、ニンニクなどを詰めて煮込んだ料理だ。韓国では夏場にスタミナをつける料理として親しまれている。

写真  
写真  
写真  
写真  

 漢方食材が入ったサムゲタン以外にも、ジリジリと焦げる石焼きビビンバや、ぐつぐつと煮立った激辛のチゲなど。エネルギッシュなイメージの強い韓国料理は、元気を補給したいときに最適の料理だ。町中に韓国料理店が増えたことで、「今日のランチは韓国料理!」という選択肢が定着している。

 さらに、最近は韓国料理をただ定食形式で出すだけではなく、さまざまな趣向を凝らした韓国料理ランチも登場してきている。弁当形式でチゲの販売を行う移動屋台があったり、あるいは本格的な宮中料理をちょっと贅沢なランチコースとして提供する店があったり。そのときの気分によって、韓国料理の中からさらに選べるのは嬉しい。

 中でも競争著しいのが、オフィスが多く、ランチの激戦区として知られる銀座だ。銀座、新橋、有楽町一帯は、ここ1、2年の間に韓国料理店がぐんと増えており、コリアンタウンとはまた違った、韓国料理店の集中エリアとして注目を集めている。エリア的に高級感のある店が多く、ディナーではどうしても多少高めの値段設定となるため、集客と宣伝を兼ねたランチは充実度が高い。

 銀座3丁目にある「長寿韓酒房」では定番のサムゲタンや石焼きビビンバを中心に、ランチとしては珍しいチャジャンミョン(韓国式のジャージャー麺)や1人前のプデチゲ(ハムやソーセージ、ラーメンを入れた辛い鍋)を揃える。プデチゲはもともとディナーの人気メニューだったが、ランチでも食べたいとの要望を受け、1人前の定食形式にしてさらなる人気を得た。

 銀座5丁目の「けなりぃ」は、野菜ソムリエがプロデュースした韓国料理店。契約農家から直送される新鮮な野菜を使った、ランチビュッフェが女性客の高い支持を得ている。看板料理であるスンドゥブチゲなどをまずメイン料理として選んだ後、オープンキッチンを囲むカウンターに並べられた、20種類近くの料理を自由にとって食べることができる。12時半からの個数限定のデザートがカウンターに並べられるなど、イベント性もふんだんに盛り込んである。

 韓国料理店が増え、他店と差別化をはかる中で、さまざまなアイデアが生まれている。毎日同じエリアで食べなければならないランチは、楽しみであると同時に悩みの種でもある。バリエーションの増加は、食べる側からの潜在的な欲求でもある。ランチから生まれる、韓国料理のまた新たな世界に期待したい。

●韓国料理ランチの魅力

 場所が変わればランチ事情もまた変わる。東京を代表するコリアンタウンとして知られる新大久保では、近隣に勤める会社員だけでなく、主婦層の利用が多い。新大久保界隈には韓国料理店のみならず、韓国食材店や韓流グッズショップが密集しており、韓流ファンにとっては町全体がテーマパークのようなもの。ランチを食べてショッピングをして帰るという、半日コースの観光地として人気を集めている。

●店舗データ 地図

店名:長寿韓酒房銀座店
住所:東京都中央区銀座3−9−11紙パルプ会館地下1階
電話:03−3541−5115
http://www.e−k−c.co.jp/bland/choju.htm

店名:けなりぃ
住所:東京都中央区銀座5−11−13ニュー東京ビル地下1階
電話:03−6226−0630
http://kenary.jp


プロフィール

八田 靖史(はった・やすし)
 コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/別ウインドウで開きます)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/別ウインドウで開きます)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

PR情報

このページのトップに戻る