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コリアうめーや!!

意外な相性

韓国料理とチーズ

2007年08月25日

 韓国で本格的にチーズの生産が始まったのは1967年。全羅北道の任実(イムシル)という地域に、韓国初のチーズ工場が作られた。当時、技術を伝えたのは、任実に赴任していたベルギー人宣教師。チーズ工場の設立は、収入の少ない農村地域における所得向上策といった意味合いがあった。韓国におけるチーズの歴史は任実から始まった。

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 現在ではそのチーズも広く普及しているが、面白いのは伝統的な韓国料理にも、チーズを加えるアレンジが多く見られる点。一見、不似合いに思える組み合わせだが、韓国料理とチーズの相性は意外にいい。もっとも代表的な例は、チゲなどの辛い鍋料理に加えること。味噌ラーメンにバターを加えるのと同じく、チーズはスープの熱ですぐに溶けてしまうものの、唐辛子の辛さがマイルドになるとともに、チーズ特有のコクが加わって味に深みが出る。スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐のチゲ)や、プデチゲ(ハムやソーセージなどの洋風食材を具にしたチゲ)には、すでに定番のトッピング食材だ。

 ほかにもチーズを使った韓国料理のアレンジはたくさんあり、韓国式の海苔巻きにチーズを加えたチーズキンパプや、ビビンバにチーズをトッピングしたチーズビビンバ、屋台料理の代表格として知られるトッポッキ(うるち米で作った餅を甘辛く炒めた料理)にチーズをトッピングする例もある。

 こうしたチーズと韓国料理の融合は日本にも波及しており、チーズを使った韓国料理を出す店は徐々に増えてきている。近年の韓国ブームで韓国料理は急速に浸透し、既存の韓国料理に加え、目新しさが求められる時代になった。チーズを使った韓国料理は、新味のある工夫として注目を集めている。

 東京・大久保の韓国家庭料理店「土地」では、ピザ用チーズをたっぷりと乗せたチーズチヂミが人気。もともとは店のオモニ(お母さん)がピザ好きの孫のために開発したという料理だったが、いまでは訪れる日本人客のほとんどが注文する看板料理になった。表面でとろけるチーズの濃厚さが、韓国料理としては定番格のチヂミを、また新たな味わいに仕上げている。

 東京・湯島の「大長今」では豚焼肉とチーズを融合させている。豪快に焼き上げた豚のスペアリブを、チーズフォンデュ風に食べるスタイルが新鮮。簡易式のコンロでチーズを溶かし、そこに焼けた豚肉を浸して食べる。また、軍手を手渡されるので、骨の部分を手づかみで食べるというのも面白い。本場ではトゥンガルビ、チャッカルビといった名前で売り出されており、数年前から流行している新式の豚焼肉だ。

 新しい食材を使うことで、新たな味わいが生まれる。それは既存の味に満足しない、旺盛な探究心から生まれる韓国料理の新境地だ。ここ最近の日本でも韓国料理の浸透にともない、新たな味を探そうとアレンジに力を注ぐ店が増えている。韓国料理の未来に、第2、第3のチーズは現れるのだろうか。

●韓国料理とチーズの魅力

 韓国ではラーメンというとインスタントラーメンを指し、飲食店でもインスタントを調理したものが出てくる。韓国のインスタントラーメンはチゲのように唐辛子の入った辛いスープが定番で、ここにスライスチーズを乗せたチーズラーメンも人気がある。学生街として知られるソウルの新村(シンチョン)には、チーズと溶き卵のトッピングで大人気を博し、有名になったインスタントラーメン専門店もあるくらいだ。

●店舗データ 地図

店名:土地
住所:東京都新宿区百人町1−24−10日の出マンション1階
電話:03−5330−5430

店名:大長今(てじゃんぐむ)
住所:東京都文京区湯島3−37−11TSツインビル1階
電話:03−3835−1290


プロフィール

八田 靖史(はった・やすし)
 コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/別ウインドウで開きます)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/別ウインドウで開きます)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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