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韓国料理とハーブ

2011年7月28日

  • 筆者 八田靖史

写真3種類のハーブサムギョプサル ※写真をクリックすると拡大します 写真豚肉と一緒に野菜やキノコも焼いて味わう ※写真をクリックすると拡大します 写真黒米入りのサムゲタン ※写真をクリックすると拡大します 写真約100種類のハーブを組み合わせて使用 ※写真をクリックすると拡大します 写真2011年6月にリニューアルオープン ※写真をクリックすると拡大します 写真店内はゆったりとくつろげる癒しの空間 ※写真をクリックすると拡大します

 韓国料理の中にハーブという単語が登場してきたのは、筆者の知る限り2001年頃からではなかったかと思う。当時の韓国ではアレンジをしたサムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)が流行しており、新しい工夫が続々と考案され話題となった。ブロックの豚バラ肉をワインに漬け込んで熟成させたワインサムギョプサルや、溶かしたチーズに豚肉をつけて味わうチーズサムギョプサル、薄い餅に包んで味わうトッ(餅)サムギョプサルなど。それとともに登場したのが、豚バラ肉にハーブで下味をつけるハーブサムギョプサルである。バジル、オレガノといった乾燥ハーブ粉末を豚バラ肉にまぶし、従来のサムギョプサルにはない、香りの魅力で評価を受けた。

 そのハーブサムギョプサルを、また一段進化させた形で提供する店が、東京、新大久保に登場した。今年6月にリニューアルオープンをした、コリアンハーブダイニング「姉妹や」。もともと家庭料理店としてハーブサムギョプサルもメニューに載せていたが、店舗の移転にともない、ハーブの要素を前面に押し出すようになった。「もともとハーブに関心があり独学で勉強していました。勉強するにつれて興味がわいてきたので、専門家の先生に師事して学ぶようになったのですが、知れば知るほど奥が深い世界ですね。のめり込むうちにハーブと韓国料理の融合を思い付きました」とオーナーの金美羅さん。

 ユニークなのはハーブサムギョプサルを看板料理に据える際、ハーブの種類ではなく、その効能を料理名のかわりとしたこと。メニューを開くと、エステ、デトックス、スマート、ストレス解消、ヤングライフといった単語がずらりと並んでいる。「医学的な意味での効果を保証するものではありませんが」としつつも、それぞれの効能に対応する3〜5種類のハーブを組み合わせて使用。配合の詳細は企業秘密だが、エステには皮膚の緊張を柔らかくほぐしてくれるハーブ、デトックスには体内の不純物排出を促進させるハーブと、それぞれに裏付けを持たせている。

 同時に「姉妹や」では西洋的なハーブのみならず、東洋的な意味でのハーブも売りのひとつとする。例えば、黒米入りのサムゲタン(ひな鶏のスープ)はその象徴的なひとつ。サムゲタンはもともと漢方食材を使った薬膳料理として知られるが、これも「見方を変えれば東洋的なハーブ」と金美羅さんは語る。確かにサムゲタンに欠かせない甘草(カムチョ)や黄耆(ファンギ)は、それぞれリコリス、アストラガラスという名前でハーブの一種に数えられる。「韓国料理をベースに西洋ハーブと東洋ハーブの融合」を目指すのも「姉妹や」の大きなテーマだ。

 店内には100種類を超えるハーブのビンが飾られており、また、ハーブを使った韓国料理だけでなくハーブティなども楽しめる。美味しいものを味わうとともに、ハーブの香りでのんびりリラックスして欲しいとも。一般的にはエネルギッシュなイメージの強い韓国料理だが、それとはまったく対照的な、ゆったり癒しの韓国料理を楽しめる。

●韓国のハーブ事情

 1988年に忠清北道清原郡で韓国初の大規模ハーブ農園「サンスハーブランド」がオープン。これを皮切りとして、現在は江原道、京畿道、済州島といった地域にハーブ農園が作られている。全羅北道の南原市では毎年ハーブ祭りを開催しており、地域起こしの一環として力を注ぐ。こうした農園ではハーブの見学ができるほか、園内のカフェやレストランではハーブティ、ハーブビビンバなども味わえる。

●店舗データ地図

店名:姉妹や(しまいや)
住所:新宿区百人町2-20-25
電話:03-6908-6930
http://shoen.blog10.fc2.com/

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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