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米大統領選が触れぬ同性婚 是非問う住民投票、各地で

2008年10月30日

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     【ロサンゼルス=堀内隆】11月4日の米大統領選に合わせ、カリフォルニア州など3州で同性婚禁止の是非を決める住民投票が行われる。保守派とリベラル派が対立する宗教や価値観にからむテーマは大統領選では話題にならず、州ごとの住民投票が主戦場になる。キャンペーン合戦も激しさを増すばかりだ。

     賛成派2850万ドル(約28億円)、反対派3300万ドル(約32億円)。州憲法で同性婚を禁止すべきだとするカリフォルニア州の住民投票「提案8号」のために両陣営が集めた寄付金だ。俳優のブラッド・ピット氏やスピルバーグ監督らハリウッドの大物が反対運動に資金を投じ話題になった。豊かな資金に支えられ、同州では「提案8号」を巡る両陣営のテレビCM量は大統領選CM量をしのぐ。

     住民投票は保守派グループ「結婚を守れ」が提案し、米メディアによると110万人以上の署名を集めた。表向き政党とのつながりはないが、共和党の州上院議員全員が支持者に名を連ねた。否決を狙うグループ「8号にノー」は民主党の首長や議員が後押ししており、まるで両党の代理戦争だ。同性婚をめぐる同様の住民投票はアリゾナ、フロリダ両州でも行われる。

     コロラド州では「『人』の定義」が問われる。受精時から「人」として扱うことで、人工妊娠中絶や受精卵を使った胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究を「殺人」と位置づける保守派の提案だ。妊娠中絶禁止はサウスダコタ州でも取り上げられ、ES細胞研究については、ミシガン州が規制緩和を目指す内容の住民投票を予定している。

     宗教観や価値観があらわになる住民投票は、大統領選の行方に大きな影響は与えていない。こうしたテーマは大統領の座を争うオバマ、マケイン両上院議員の演説にもめったに出てこない。カリフォルニア大ロサンゼルス校のマーク・ピーターソン教授(公共政策)は「宗教右派や保守派など自らの母体を動員してブッシュ大統領が再選した04年の選挙とは違う。2人の候補はともに党派色を打ち消そうとしている」と指摘する。無党派層の票を取り込むため、党派色がむき出しになるテーマは避けて通る「争点隠し」が両陣営に共通する戦略だ。

     逆に若年層やヒスパニックの有権者登録の急増が各団体の戦略を変えつつある。カリフォルニア州では、世論調査で劣勢の同性婚反対派がアフリカ系(黒人)有権者への働きかけを強めている。「アフリカ系は同性愛には保守的」との見方からで、オバマ氏に触発され新たに増えた有権者層の賛同を得ようと懸命だ。

     米国の住民投票制度は州ごとに違うが、一定の署名を集めれば原則としてどんなテーマも対象になり、州によっては議会を通さず州憲法を改正することもできる。住民投票制度を扱う南カリフォルニア大の研究所のまとめでは、11月4日には36州で153の案件が住民の判断を待つ。

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