2008年4月21日
「予備選勝利。おめでとう」。ジャカルタの銀行員ロニさんは最近、同僚にこんな声をよくかけられる。
ロニさんは、米民主党のオバマ上院議員がジャカルタの小学校で1年生だった時の同級生。母がインドネシア人と再婚したオバマ氏は、多様な宗教や価値観が混在する地域で4年ほど過ごした。ロニさんは「背が高い彼はいつも弱い者の味方。いじめられっ子だった私を守ってくれた。決して忘れないよ」。
当時を知る人たちは「リーダーの素質があった」「だれにでも優しかった」などと口々に称賛。勝手連的に「応援団」を結成しようとする同窓生もいる。メディアもこうした盛り上がりを積極的に報道している。
イスラム教徒が約9割を占める国民の中には「米国はイスラム教徒を敵視している」との疑念を抱く人も多く、米国のイメージは良いとはいえない。そうした中で米大統領選への関心が高まるのは異例なことだ。
単に「オバマ氏が昔、住んでいたから」というだけではない。裏には「米国にイスラム社会の等身大の姿を知ってほしい」とのムスリム大国の期待が垣間見える。(矢野英基)