2008年9月2日
米共和党全国大会(9月1〜4日)開幕前の8月31日、大会初日のスピーチをすべてキャンセルする日程の「大幅縮小」が発表になった。米本土の南に大型ハリケーン「グスタフ」が近づいたためだ。
共和党の大統領候補に指名されるマケイン上院議員(72)が決めた。女性アラスカ州知事の副大統領候補、ペイリン氏(44)と一緒に登場し、彼女の人物像にスポットライトが当たる……。そんな思惑が、大きな自然の力の前に揺れている。
この日、縮小を発表する緊急会見が入ると、各国の記者はあわてて会見場を探し、巨大な会議場を右往左往した。空港の待合室でも、党大会に向かう記者の間で「どうも1日で終わるらしいな」「本当か」といった会話が飛び交った。
3年前のハリケーン「カトリーナ」の対応の遅れで支持率を落としたブッシュ大統領は同日、欠席を表明。南部諸州の知事も不参加を決め、代議員の一部は地元に帰った。マケイン、ペイリン両氏は南部に足を運び、衛星中継で演説する可能性すら語られていた。
このまま党大会が「被害」を受けるのか。うまく対応してブッシュ政権との違いを示し、危機を「好機」に変えるのか。だが、あまり派手に立ち回れば、災害の政治利用と批判されるリスクもあるから、難しい。
すべてはマケイン氏の判断次第。ハリケーンの規模と進路をにらみながら、大統領選で打つ次の一手を決めていく。これほど政治家の手腕が試される時はない。(小村田義之)