写真・図版1月25日、過激派組織「イスラム国」がインターネット上に公開したとみられる日本人人質の殺害画像について、政府は「信ぴょう性が高い」との見方を強めている。写真は都内で同日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

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 [東京 25日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国」がインターネット上に公開したとみられる日本人人質の殺害画像について、政府は「信ぴょう性が高い」との見方を強めている。

 安倍晋三首相は25日、「痛恨の極み」としたうえで、改めて犯行を強く非難。政府は拘束された2人のうち、生存しているとみられる後藤健二さんの早期解放に向けてヨルダンなど関係諸国と連携を強める構えだが、依然としてイスラム国側とは直接接触できない。

 <画像確認は午後11時すぎ>

 安倍首相は25日朝のテレビ番組で、イスラム国に拘束されたとみられる湯川遥菜さん殺害の画像がインターネット上に公開されたことについて、「分析しているが、残念ながら信ぴょう性が高いといわざるを得ない」と述べた。その上で、「このようなテロ行為は言語道断であり、許すことのできない暴挙だ。強く断固として非難する」と語った。

 同日午前に会見した菅義偉官房長官によると、公開された画像を政府が確認したのは24日午後11時10─20分前後。「信ぴょう性が高い」と安倍首相が語った根拠を問われた官房長官は、断定には遺体の確認が必要とする一方で、「現時点では殺害を否定する根拠は見いだせない」と述べた。画像の中で、湯川さんとみられる遺体の写真を持った後藤さんの安否については、ネットで流れた音声を分析しているものの、「当然生存している」と語った。

 政府は後藤さんの早期解放に向け、関係各国との連携を一段と強める考え。安倍首相は「あらゆる外交ルート、手段をつくして解放に全力をあげている。後藤さんの救出、解放に関係各国としっかり連携をとりながら全力を尽くしていきたい」と語った。

 <事前に画像受領「承知していない」>

 イスラム国とみられる組織は今回、身代金ではなく、2005年に爆破事件を起こしてヨルダンに収監中のイラク人女性、サジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を求めてきた。 安倍首相は「どのように対応するかは、まさにいま事態が動いている状況なので答えることは控えたい」と発言。「人命第一の観点からヨルダンと緊密に協議、連携し対応にあたっていきたい」と述べ、人質交換の可能性について明言を避けた。安倍首相は画像が公開される前の24日夕、ヨルダン国王と電話で会談している。

 政府は各国の協力を得ながら解決策を見出そうとする一方で、今もイスラム国と直接接触することはできていない。イスラム国側が公開してくる画像や映像以外、交信は「ない」(菅官房長官)という。今回の画像では冒頭に「このメッセージは後藤健二の家族、日本政府が受け取ったものだ」と英語の字幕が流れたが、菅官房長は、政府が事前に受領していたかどうかについて「承知していない」と語った。 

  *写真をつけて再送します。

 

 (石田仁志、梅川崇、久保信博 編集:宮崎大)