写真・図版 2月1日、「イスラム国」の人質となっている後藤健二さんとみられる人物が殺害された動画が、1日午前5時過ぎ、インターネット上に投稿された。写真は後藤さんが今回の事件発生以前に制作した動画から(2015年 ロイター/www.reportr.co via Reuters TV)

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 [東京 1日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国」が日本人ジャーナリスト、後藤健二さん(47)を拘束していた事件で、犯行グループが1日午前5時過ぎ、後藤さんを殺害したとみられる動画をインターネット上に投稿した。

 安倍晋三首相は午前6時40分から記者団に対し「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い憤りを覚える」と述べた。中谷元防衛相によると、警視庁は映像の男性が後藤さん本人である信ぴょう性が高いと判断している。

 自民、公明両党は同日午前、与党対策本部の会合を開き、在留邦人の保護と国内のテロ対策を徹底するよう政府に求める方針を取りまとめた。

 安倍首相は「ご家族のご心痛を思うと言葉もない。政府として全力で対応してきたが、まことに痛恨の極みだ」と述べた。その上で「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。テロリストたちを決して許さない。その罪を償わさせるため国際社会と連携していく」との方針を示した。

 さらに「日本がテロに屈することは決してない。食糧支援、医療支援といった人道支援をさらに拡充する」と明言。「テロと戦う国際社会において、日本としての責任を毅然として果たしていく」との決意を示した。

 また、今後とも国内外の日本人の安全に万全を期していく考えを示した。

 菅義偉官房長官は同日午前6時、臨時に会見し、イスラム国に拘束されている後藤健二さんが殺害されたとみられる画像がインターネット上に投稿されたことに対し、卑劣なテロ行為であり、断固として非難すると述べた。

 そのうえで「直ちに内閣危機管理監、国家安全保障局長に対し、関係省庁と連携して情報収集を始め、しっかり対応にあたるよう指示した。関係閣僚会議も速やかに開催する」と述べた。

 同日午前7時過ぎから同会議が開催され、終了後に中谷防衛相は、警視庁外事課から、投稿された映像の男性が後藤健二さん本人である信ぴょう性が高いとの報告を受けたことを明らかにした。

 投稿された動画では、安倍首相に対し「勝ち目のない戦争に参加するという日本の決定のせいで、このナイフは後藤健二を殺害するだけでなく、さらなる日本人の殺りくを引き起こすことになる」とのメッセージを盛り込んだ。

 中谷防衛相は「このようなメッセージが出た以上、海外含めすべての日本人の安全に対応しなければならない」との認識を示した。 

 共同通信によると、与党の対策本部では、在外邦人の安全確認と国内のテロ対策徹底の必要性が議論され、政府にその徹底を要請することになった。公明党の井上義久幹事長は「テロ対策をしっかり取らなければならない」と語った。

 岸田文雄外相は、記者団に対し、全在外公館に対し、在留邦人の安全に万全を期すよう指示する方針を明らかにした。 

 菅官房長官は、テロリストの国内入国阻止に向け、水際作戦をしっかりと行っていく方針を同日正午前の会見で述べた。

 また、今回の2人以外に邦人が拘束されているとの事案は、把握していないと語った。 

 一方、オバマ米大統領は31日(米東部時間)、イスラム国による後藤さんの「凶悪な殺害」を非難した。そのうえで米国はイスラム国撲滅に向けた行動を継続するとの方針を示した。ホワイトハウスが大統領の声明を公表した。

 大統領は「米国はイスラム国による後藤さんの凶悪な殺害を非難する。米国は、同盟国やパートナーとともに、イスラム国を弱体化させ、最終的には撲滅すべく、引き続き断固とした措置をとる」と強調した。 

 *詳細を追加しました。

 

 

 (田巻一彦 編集:宮崎大)