写真・図版 4月26日、トランプ大統領が打ち出した中国などの鉄鋼・アルミニウム製品に対する関税措置について、米大手製造業ではコスト高を心配する声が広がっている。写真は中国・東莞市で10日撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)

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 [ニューヨーク 26日 ロイター] - トランプ大統領が打ち出した中国などの鉄鋼・アルミニウム製品に対する関税措置について、米大手製造業からはコスト高を心配する声が広がっている。

 24日までに第1・四半期決算を発表したS&P総合500種構成企業のうち、20%が投資家やアナリストとの電話会議でこの輸入関税を話題にしたことが、ロイターの調べで分かった。

 オートバイのハーレーダビッドソン<HOG.N>、家電のワールプール<WHR.N>、自動車のフォード・モーター<F.N>などの幹部は、鉄鋼・アルミ関税が原材料コスト上昇をもたらすと投資家に警告した。

 またゴールドマン・サックス<GS.N>やフィフス・サード・バンコープ<FITB.O>によると、顧客からは保護主義や貿易摩擦への懸念が相次いで表明されている。

 今回はトランプ氏が鉄鋼製品に25%、アルミに10%の関税を課す方針を示してから初めての決算発表シーズンだ。

 ハーレーダビッドソンのジョン・オリン最高財務責任者(CFO)は、既に同社は年初時点で原材料高を予想しており、輸入関税でさらにコストが跳ね上がると警戒。今後数四半期にわたってかなりの逆風になるとの見通しを示した。

 ワールプールは、米政府が輸入洗濯機に高率の関税を課すと決定したことでむしろ恩恵を受けるように見えるが、マーク・ビッツァー最高経営責任者(CEO)は今週、通年の原材料費の見積もりを約5000万ドル上方修正し、最大3億ドルに達する恐れがあると説明した。その主な理由は、鉄鋼・アルミ製品への関税だという。

 フォードのロバート・シャンクスCFOも、米政府の輸入関税引き上げの可能性に市場が反応していることなどから、コモディティのコストが上がっていると指摘した。

 さらに重機のキャタピラー<CAT.N>は、第1・四半期に機械設備業界の鉄鋼製品の仕入れコストがおよそ15%上がったとした上で、原材料高によって同社の利益率が圧迫されかねないと懸念したため、株価が急落した。

 一部の企業はコスト高に自社製品の値上げなどで対応する構えだ。住宅建設のパルトグループ<PHM.N>のロバート・オショーネシーCFOは、輸入関税問題に絡んで鉄鋼やアルミの価格が上がっていると耳にするとしながらも「(同社にとって)良いニュースは、市場がわれわれにコストの大半をカバーする価格設定を許してくれる状況にあることだ」と話した。