写真・図版 11月15日、英野党・労働党は、12月12日の総選挙で勝利した場合、英通信大手BTの一部ネットワークを国有化し、すべての国民に高速のフルファイバー・ブロードバンドを無料で提供する計画を発表した。写真はBTの通信タワー。2009年5月11日、ロンドンで撮影(2019年 ロイター/Stefan Wermuth)

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 [ロンドン 14日 ロイター] - 英野党・労働党は、12月12日の総選挙で勝利した場合、英通信大手BT<BT.L>の一部ネットワークを国有化し、すべての国民に高速のフルファイバー・ブロードバンドを無料で提供する計画を発表した。ジョンソン首相は「狂気じみたスキーム」と批判した。

 労働党の発表を受け、BTの株価は一時3.7%下落。時価総額を5億ポンド近くを失った。 

 同計画はインターネット関連インフラの大幅な刷新を必要とし、資金はアルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグル、アマゾン<AMZN.O>、フェイスブック<FB.O>などハイテク大手に対する増税と、「グリーン・トランスフォーメーション」ファンドを通じて賄う方針。

 労働党は、BTのデジタルネットワーク部門「オープンリーチ」のほか、「BTテクノロジー」「BTエンタープライズ」「BTコンシューマー」の一部を国有化すると表明。

 労働党が公表した演説原稿によると、コービン党首は「最速のフルファイバー・ブロードバンドをすべての世帯、国の隅々に無料で提供する時期が来た」、「公共投資を通じて国を変革し、月々の請求料支払いを減らし、経済を押し上げ、生活の質を改善して世界をリードする」と表明する。

 BTのフィリップ・ジャンセン最高経営責任者(CEO)はBBCに対し、「非常に野心的な計画だ。(与党)保守党も2025年までにフルファイバーを全国民に提供するという野心的な計画がある」とした上で「われわれが計画を進めるのは容易ではない」と指摘。何百億ポンドもの莫大(ばくだい)な資金が必要になると述べた。

 コービン党首は、現在の通信ネットワークは不十分で遅いと指摘。現在では、ネットワーク接続で銅線の代わりに光ファイバーケーブルを使用するフルファイバー・ブロードバンドにアクセスできる英国の施設は10%未満。 

 労働党は、2030年までに全ての個人と企業にブロードバンドを無料提供する方針を示しており、5年以内に少なくとも1500万─1800万の施設に提供することになる。1人当たり月額平均30.30ポンドの節約が見込まれるという。

 ジョンソン首相は、労働党の計画を「狂気じみたスキーム」と批判。「われわれがしないことは、巨額の税金を使って英企業を国有化することだ」とBBCラジオに対し述べた。

 *内容を追加しました。