写真・図版 9月17日、安全保障の関連法案は同日午後、参議院特別委員会で採決が行われ、賛成多数で可決した。写真は委員会での様子(2015年 ロイター/TORU HANAI)

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 [東京 17日 ロイター] - 安全保障の関連法案は17日午後、参議院特別委員会で採決が行われ、与党などの賛成多数で可決した。与党は同日の本会議に上程し、週内の成立を目指す。主要野党は参議院で安倍晋三首相に対する問責決議案、衆議院で内閣不信任決議案などを提出して抗戦する構え。

 日本を取り巻く安全保障の環境が激変しているとして、政策上の観点から法案の必要性を訴える政府・与党と、自衛隊の海外派兵につながり憲法に違反するなどと主張する主要野党との論戦は、かみ合わないまま最終局面を迎えた。

 <混乱の中で採決>

 与党側筆頭理事の自民党の佐藤正久氏は可決後、「この法案は国民の命と幸せな暮らしを守るための絶対に必要な法案という思いで、与党一丸となって今回の可決になった。本会議でしっかり成立させる」と語った。

 もともと16日夕方に始まる予定だった特別委員会は、17日も混乱した。議論は尽きていないとして審議継続を求める民主党など主要野党は、特別委員会で締めくくりの総括質疑を開くことに反発。この日午前に開会を宣言した鴻池祥肇委員長に対し、不信任動議を提出した。

 委員会は動議の否決後、すぐに採決を行った。与野党の議員が入り乱れて委員長席に詰め寄る中、法案は賛成多数で可決された。

 野党側の理事を務める民主党の福山哲郎氏は「可決はされていない。暴力的な採決が無効だと強く主張する」と語った。

 野党のうち、次世代の党と日本を元気にする会、新党改革は、自衛隊の派遣に国会の関与を強める付帯決議と閣議決定を行うことで与党と合意し、賛成に回った。

 <抑止力高まると与党、野党は憲法違反と批判>

 安保関連法案は、自衛隊法など既存法10本を束ねた「平和安全法制整備法案」と、新法「国際平和支援法案」で構成される。成立すると、密接な他国が攻撃された場合に自衛隊が反撃できる集団的自衛権の行使が可能になる。また、自衛隊による他国軍の後方支援の対象が米軍以外にも広がり、活動範囲や内容も拡大する。

 訓練や哨戒といった平時の活動中から、武力衝突にまで発展した有事まで、自衛隊は米軍やオーストラリア軍などと共同作戦を行えるようになる。中国が東シナ海、南シナ海への進出を活発化させる中、政府・与党は抑止力が高まると説明する。

 一方の野党は、自衛隊派遣の規準が法文に明示されておらず、政策判断に依るところが大きいと批判。さらに集団的自衛権の行使容認と、後方支援を弾薬提供などにまで拡大するのは、海外での武力行使を禁じた憲法に違反すると主張している。

 *内容を追加します。

 

 (久保信博※)