写真・図版 11月16日、パリ同時多発攻撃を受け、フランスはベルギーと共に、事件に関与した人物の大規模な追跡捜査を行っており、実行犯や主要な容疑者の身元が特定しつつある。写真は過激派組織「イスラム国」のオンラインマガジンに掲載され、ソーシャルメディアに投稿されたパリ攻撃の首謀者とみられているアブデルハミド・アバウド容疑者(2015年 ロイター/Social Media Website via Reuters)

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 [16日 ロイター] - 13日夜に発生したパリ同時多発攻撃を受け、フランスはベルギーと共に、事件に関与した人物の大規模な追跡捜査を行っており、実行犯や主要な容疑者の身元が特定しつつある。

 死亡した実行犯7人の一部と、捜査で浮上した容疑者の身元は以下の通り。

 <死亡した実行犯>

 イスマイル・オマル・モステファイ(29)──1985年11月、パリ南部クールクーロンヌ生まれのアルジェリア系フランス人。バタクラン劇場の襲撃に関与。パリ南西のシャルトル市に一時住んでいた。(情報元:仏検察当局、司法筋)

 イスラム過激思想に傾倒していたとして、2010年から仏情報機関の監視対象となっていた。司法筋によれば、2013年末にトルコに渡航した可能性があり、その後シリアに渡ったと捜査当局はみている。

 トルコ政府のある幹部は、同政府が2014年12月と今年6月の2回にわたり、モステファイ容疑者に関する情報について仏政府に連絡したものの、今回の事件があって初めて照会があったという。

 サミ・アミムール(28)──1987年10月、パリ北部サンドニ県ドランシー市生まれのフランス人。バタクラン劇場の襲撃に関与。2013年後半から国際指名手配。2012年10月にイエメンでの攻撃計画(未遂)に関与したとして捜査を受けていた。(情報元:パリ検察当局)

 また司法筋によると、2013年後半にシリアに渡航した可能性がある。

 ブラヒム・アブデスラム(31)──1984年7月生まれ。パリ市内のカフェ「コントワール・ヴォルテール」で自爆死。今も逃亡を続けるサラ・アブデスラム容疑者の兄。フランス人で、ベルギーに居住していた。(情報元:仏司法省)

 ビラル・アフディ(20)…1995年1月生まれ。競技場「スタッド・ド・フランス」で自爆死。(情報元:仏司法省)

 その他の実行犯──スタッド・ド・フランスの自爆犯。遺体の近くで発見されたパスポートによると、名前は「アハマド・モハメド」。1990年9月生まれ(25歳)で、シリア北西のイドリブ出身。遺体の指紋と、今年10月にギリシャ当局が難民登録した同じ名前の人物との指紋が一致した。(情報元:仏検察当局)

 <逃走中の重要容疑者>

 アブデルハミド・アバウド(28)──ベルギー国籍。現在はシリアにいるとみられる。事件の首謀者とされる。(情報元:仏司法当局者)

 仏RTLラジオによると、ベルギー首都ブリュッセルのモレンベーク地区出身。現地報道によると、今年1月にベルギー国内で警察が未然に防いだ一連の攻撃の計画にも関与。

 サラ・アブデスラム(26)──1989年9月、ベルギー生まれのフランス人。(情報元:仏警察当局、警察筋)

 犯行に使用された黒の「フォルクスワーゲン・ポロ」をレンタルしたとされている。

 <ベルギーでの逮捕者>

 ベルギーでは14日、パリでの事件に関与した疑いで7人が逮捕され、うち2人がいまだ拘束されている。

 モハメド・アブデスラム──ブラヒム(自爆死)とサラ・アブデスラム(指名手配中)の兄弟。ベルギー警察当局に逮捕され、予備審問を受けたが釈放された。

 イスラム系移民が多く住むブリュッセルの貧困地区モレンベークが捜査の中心となっている。

 仏警察当局は15日夜、イスラム過激派と疑われる人物らを対象とした大規模な家宅捜索を実施し、25人を逮捕した。