写真・図版4月4日、ウクライナのポロシェンコ大統領は税金逃れのためにタックスヘイブン(租税回避地)の企業を使っていたとの疑惑について、説明責任を果たしているとして自身を擁護した。写真は1月14日、記者会見する同大統領(2016年 ロイター/Gleb Garanich)

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 [キエフ 4日 ロイター] - ウクライナのポロシェンコ大統領は4日、税金逃れのためにタックスヘイブン(租税回避地)の企業を使っていたとの疑惑について、説明責任を果たしているとして自身を擁護した。ウクライナの議員らは疑惑を捜査すべきだと訴えている。

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が週末、租税回避地への法人設立を代行するパナマの法律事務所の内部文書(「パナマ文書」)の内容を公表した。

 文書によればポロシェンコ氏は、ウクライナの東部で政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘がピークを極めていた2014年8月、自身の菓子会社「ロシェン」を英領バージン諸島に移すため、オフショア企業を設立していた。

 これに対して、ポロシェンコ氏は、大統領就任に伴って保有資産の管理運営は、コンサルティング会社や法律事務所に任せていたと述べた。

 ポロシェンコ氏はツイッターで「資産の申告や納税、利益相反の問題について真剣に向き合っているのは、ウクライナの政府高官で私が初めてかもしれない」と主張した。

 ロシェンの売却を委託されている法律事務所は、問題とされているオフショア企業はウクライナの法律に基づいて設立されたとしている。電子メールで公開した声明で「海外組織を設立することは、ウクライナにおけるロシェン・グループの納税義務に影響しない。ロシェンは納税し続けている」とした上で「租税回避をめぐるいかなる疑惑も事実無根だ」と付け加えた。

 検事総局の幹部は漏洩した文書は、ポロシェンコ氏が犯罪を犯したことを示すものでは全くないとしている。

 ポロシェンコ派も含む複数の議員はこの日、ウクライナ議会に調査のための委員会を設置するよう呼びかけた。

 ウクライナの法律では、現職の大統領に対する捜査に着手できるのは議会だけだ。

 急進党のリャシコ党首はフェイスブックで「われわれの兵士が何百人と死んでいる時にオフショア企業を設立するとは皮肉の極みだ」と述べ、議会による調査はポロシェンコ氏の弾劾につながる可能性があると加えた。

 ポロシェンコ氏にとって、新政権を維持し総選挙を避けるためには急進党の支持が必要不可欠といえる。

 国際通貨基金(IMF)と米国、欧州連合(EU)は、ウクライナの汚職撲滅に向けた対策が不完全であることに業を煮やしている。IMFは事態が改善するまで支援を停止すると警告している。

 リスクコンサルティング会社べリスク・メープルクロフトのダラグ・マクドウェル氏は「ポロシェンコ氏のオフショア口座の発覚は、既に1カ月以上にわたって危機にあるウクライナ政府をさらに不安定にするだろう」と述べた。「政権の内部争いによって既にIMFの融資が延期されている。こうした中、ポロシェンコ氏は西側同盟国からの信用を大きく失うだろう」とした。