写真・図版 6月10日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、関係筋の話として、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で2017年に暗殺された金正男氏が米中央情報局(CIA)の情報提供者だったと伝えた。写真は2007年2月に北京で撮影。共同通信提供(2019年 ロイター)

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 [ワシントン 10日 ロイター] - 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は10日、関係筋の話として、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で2017年に暗殺された金正男氏が米中央情報局(CIA)の情報提供者だったと伝えた。

 匿名の関係者は、正男氏とCIAの間にはつながりがあったと指摘している。

 ロイターはこの報道内容を確認していない。CIAはコメントを拒否している。

 WSJによると、米政府の元当局者らは、正男氏が長年にわたり北朝鮮国外に住んでいたことや、北朝鮮で権力基盤を持っていなかったことから、同国の詳細な内部情報を提供することはできなかった可能性が高いと指摘している。

 また、元当局者らは、正男氏が他国、特に中国の情報機関とやり取りをしていたことはほぼ間違いないと述べている。

 正男氏は2017年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で2人の女に神経ガス「VX」を顔に塗りつけられて死亡した。

 米国と韓国は、北朝鮮が暗殺を計画したとの見方を示しているが、北朝鮮は関与を否定している。

 WSJによると、正男氏は2017年2月、CIAの担当者と会うためにマレーシアを訪れた。ただ、渡航目的はそれだけではなかった可能性もあるという。

 米紙ワシントン・ポストの記者、アナ・ファイフィールド氏も11日出版予定の著書「グレート・サクセッサー(偉大な後継者)」で金正男氏がCIAの情報提供者だったと指摘している。ファイフィールド氏は情報活動に詳しい関係筋の話として、正男氏が通常、シンガポールとマレーシアでCIAの担当者と会っていたとしている。

 同著書によると、正男氏が生前最後にマレーシアを訪問した際に防犯カメラがとらえた映像には、同氏が米情報機関職員とされるアジア系の男性とホテルのエレベーターの中にいる姿があるという。正男氏のバックパックには12万ドルの現金が入っており、情報収集活動関連の支払いか、自身のカジノ事業による収益の可能性があると記されている。

 *内容を追加しました。