[シカゴ 22日 ロイター] 米大統領選は11月の本選挙を控え、共和党のジョン・マケイン候補と民主党のバラク・オバマ候補が26日、初回のテレビ討論会で直接対決する。ホワイトハウス入りをかけた接戦が続くなか、計3回予定されている討論会が選挙戦の行方を左右する可能性がある。
1時間半のテレビ討論は多くの国民が視聴すると予想され、態度を決めていない有権者にとって候補者を直接比較する最初の機会となる。視聴者数は両候補の指名受諾演説を見た約4000万人を上回るとみられている。
ミネソタ州にあるカールトン・カレッジの政治学者、スティーブン・シアー氏は「今回の討論はこの選挙戦において決定的な瞬間になり得る。いつまでも消えない印象を残すチャンスはそう多くない」と指摘する。
世論調査は多くの有権者がどちらに投票するかまだ決めておらず、選挙戦の大詰めで態度を決める可能性を示している。イリノイ州選出で上院議員第1期目のオバマ候補は、全国的に知られるようになってから日が浅いため、有権者の懸念を取り除くのに特に力を入れている。
ボストンにあるノースイースタン大学のアラン・シュローダー氏は「有権者がオバマ氏に対して抱いている不安が何であれ、この討論会はそれを静める最高の、そしておそらく最後のチャンスだろう」と語った。
オバマ陣営の戦略担当幹部デビッド・アクセルロッド氏は「マケイン上院議員は繰り返し外交面での豊富な経験を強調している。われわれにとって手腕を問われる場となるだろう」と述べた。
26日の初回討論会はミシシッピ州オックスフォードのミシシッピ大学で開催される。マケイン候補の強みである外交政策と安全保障問題がテーマとなる見通しだが、議会とブッシュ政権が金融市場への7000億ドルの金融安定化策の詳細を打ち出すなかでの実施となる。
<金融危機が話題の中心になる可能性>
アクセルロッド氏は初回討論会の主要テーマは外交政策とされているものの、世界的な金融危機が主要テーマになりそうだとして、「(金融危機について)議論する準備をしている」と話した。
オバマ候補は23日から3日間、フロリダ州タンパで討論会準備にあたる。マケイン候補も今週、ミシシッピ入りする前に討論会に備えるための時間を取る予定。
これまでテレビ討論会が大統領選の決め手となったことは多くないが、選挙戦の流れを変えたり、有権者の印象を変えたりすることはある。2000年の大統領選では、民主党のアル・ゴア候補は初回討論会でついた長いため息が問題になるまで、世論調査でブッシュ候補からリードを奪っていた。
多くの専門家はオバマ候補の討論会での使命を共和党のレーガン候補がカーター大統領に挑んだ1980年の選挙戦になぞらえる。レーガン候補はテレビ討論会で強いパフォーマンスを見せ、有権者が抱いていた不安を和らげ、大統領選で勝利した。
両陣営とも討論会での誤った発言や失言には飛びつく用意があるだろう。オバマ候補にとっては、経験不足と受け取られるような発言は火種となりかねない。マケイン候補は、事実に反する発言をするようなことがあれば、信用に欠けるという印象を与えることになるだろうし、忘れっぽい一面を見せれば有権者に高齢だということを思い起こさせるだろう。
24時間のケーブルニュース・ネットワークやラジオのトークショー、インターネット上でのチャットがある現在、ささいなことが大きな問題として取りあげられる。ゴア候補がついたため息や、1992年の討論会でブッシュ元大統領が時計に目をやったことなどがその例だ。
シュローダー氏は「そうしたささいな瞬間が討論そのものの代わりとなって、独り歩きをすることもある」と指摘する。
第2回討論会は10月7日、経済がテーマになっている最後の討論会は15日に行われる。また、副大統領候補の民主党ジョー・バイデン上院議員と共和党サラ・ペイリン・アラスカ州知事によるテレビ討論会は10月2日に予定されている。