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薄煕来氏解任、妻の英国人死亡への関与疑惑が引き金に=関係筋

2012年4月2日

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3月30日、中国の次期最高指導部入りが有力視されていた薄煕来氏(写真)の解任について、同氏の妻が昨年11月の英国人ビジネスマン死亡にかかわっていたとする疑惑がきっかけだったことが分かった。9日撮影(2012年 ロイター)

 [北京 30日 ロイター] 中国の次期最高指導部入りが有力視され、重慶市共産党委員会書記を務めていた薄煕来氏(62)の解任について、同氏の妻が昨年11月の英国人ビジネスマン死亡にかかわっていたとする疑惑がきっかけだったことが分かった。薄氏やその家族に近い関係筋が明らかにした。

 匿名を条件にした他の関係筋2人からも裏付けを得た。

 疑惑を告発したのは薄氏の腹心だった王立軍前重慶市公安局長。薄氏に近い関係筋は、中央政府による調査状況を引用し、告発の信ぴょう性については明らかになっていないとしながらも、王氏が薄氏に疑惑を報告したことは「間違いない」と述べた。

 関係筋によると、王氏は1月下旬、薄氏に対し、同氏の妻である谷開来氏が英国国籍のビジネスマン、ニール・ヘイウッド氏(当時41)の死亡にかかわっている可能性があると報告した。ヘイウッド氏は昨年11月中旬、重慶市で死亡した。こうした経緯が、犯罪組織撲滅運動で名を馳せた薄氏と王氏の間に深刻な確執を生んだ可能性がある。2月上旬に王氏が成都の米国総領事館に駆け込み、一気にスキャンダルに発展した。

 薄氏とその妻は、薄氏が解任された3月15日以降、公の場に姿を見せておらず、うわさや報道にコメントできない立場にある。王氏も現在、中央政府の調査を受けている。

 重慶市政府は、薄氏解任とヘイウッド氏の死亡をめぐる状況について、ロイターからの度重なる電話とファックスによる質問に回答していない。

 中央政府は、王氏による米国総領事館駆け込み事件に対する調査結果を公表するとしているが、これまでのところ明らかにしていない。

 <解任前はうわさを否定>

 中国の外務省報道官もヘイウッド氏の死亡について、情報を持っていない、として回答を避けた。

 薄煕来氏は解任される数日前に開かれた記者会見で、自身の妻をめぐるうわさを否定した上で、何者かが「わたしの家族をおとしめようとしている」と述べていた。

 妻の谷開来氏は以前、有力な弁護士だった。先の関係筋は「王立軍氏は中央政府の調査に対し、谷氏が経済的利害関係からヘイウッド氏に目をつけ、彼を破滅させたいと考えた、と説明している」と述べた。この関係筋は総じて薄氏に同情的なところがある。

 北京とロンドンに住むヘイウッド氏の複数の身内は、匿名を条件にロイターの取材に応じ、同氏の死亡に犯罪が絡んでいるとは思っていない、と述べた。

 北京郊外のホテルロビーで29日遅くに取材に応じた家族の1人は、時折涙をこぼしながら「不合理な話だ。(メディアに)情報が出るたびに、事情がきな臭くなる」と述べた。ヘイウッド氏がスパイだったとする情報や、同氏の遺体が家族の意に反して火葬されたとする情報は否定した。ある家族の1人は「わたしたちが火葬を希望したのであり、強制されたわけではない。警察の検証結果に疑いを抱いてはいない」と述べた。

 在北京の英国大使館は中国政府に対し、重慶市の公安当局がアルコールの過剰摂取による心肺停止としたヘイウッド氏の死因について、再調査を依頼した。

 家族によると、ヘイウッド氏は大量飲酒者ではないが、チェーンスモーカーだったという。同氏の父親も2004年にロンドンの自宅で夕食後の飲酒中、心臓発作で63歳でなくなった。

 関係筋は、王氏の話を基に、谷氏はヘイウッド氏が薄氏一家の基金を悪用、もしくは乗っ取ったと信じていた、と述べた。この基金にはヘイウッド氏がアクセスできていた可能性があるという。ただ、ヘイウッド氏の家族によると、同氏は薄氏一家とのビジネス上の取引はなかったという。

 <対立>

 王立軍氏は米国総領事館に駆け込む1週間前に、薄煕来氏にヘイウッド氏の死亡をめぐる疑惑を報告していた。

 ビジネスコンサルタントだったヘイウッド氏は、薄氏の息子が英国の名門パブリックスクールであるハロー校に入学する際に手助けをした。ヘイウッド氏は、大連市に住んでいたころに薄氏一家と知り合った。薄氏は1993─2000年に大連市長をしていた。

 関係筋は「(王氏は)薄氏に対し、ヘイウッド氏死亡の問題は隠せない、と伝えた」と述べた。

 同筋によると、これに激怒した薄氏は数日後、王氏を公安局長から格下の副市長(教育・文化・科学担当)に異動させた。薄氏は当初、王氏の情報をうやむやにしようとしたが、王氏が米国総領事館に駆け込んだことで、2人の確執が明確になった。

 たとえヘイウッド氏の死亡をめぐる王氏の見方が根拠に基づかないものだったとしても、薄氏が王氏の情報を真っ先に中央政府に報告しなかった時点で、薄氏の政治的キャリアは終わったという。

 関係筋は「中央指導部の見方では、報告が遅すぎた。中央指導部は、薄氏は妻をめぐる情報が王氏からもたらされた時点で中央に報告すべきだった、と話している」と述べた。

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