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メキシコ政権交代、新大統領の麻薬対策に怒りと期待交錯

2012年7月4日

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7月3日、ぺニャニエト氏の大統領当選で制度的革命党が再び政権に返り咲くが、メキシコ国境沿いに住む米国住民の反応は怒りの声から期待の声までさまざまだ。写真はぺニャニエト氏とリベラ夫人。メキシコ市で2日撮影(2012年 ロイター/Tomas Bravo)

 [エルパソ(米テキサス州) 3日 ロイター] 「何のために6万人の命が奪われたのか」──。メキシコ大統領選で当選したぺニャニエト氏(45)が、麻薬犯罪の撲滅を訴える姿を見て、国境を接する米テキサス州エルパソの実業家リカルド・フェルナンデスさん(33)は怒りを覚えた。

 生まれ故郷のメキシコで麻薬戦争を目の当たりにしてきたフェルナンデスさん。「本当に多くの人が殺され、苦しんでいる。何のためだろうか。われわれは、昔の状態に戻ろうとしているだけではないか」と語気を強める。

 ぺニャニエト氏の当選で、2000年まで約70年間政権を握ってきた制度的革命党(PRI)が再び与党に。フェルナンデスさんのようにメキシコとの国境沿いに住む住民の反応は、怒りの声から期待の声までさまざまだ。

 メキシコでは、カルデロン現大統領が軍を動員するなどして、麻薬犯罪撲滅に乗り出して以降、5万5000人以上が死亡。死者の大半が、荒廃した国境に近い州で命を落としている。

 <連邦警察の定員を5万人以上に>

 ぺニャニエト氏は、麻薬組織との戦いよりも暴力抑制に重点を置くと宣言し、現政権とは異なる戦略で麻薬対策に臨むと表明。連邦警察の定員を5万人以上に増員するなどの方針を示している。

 これに対し、麻薬密輸の中継地となっている米アリゾナ州南部のサンタクルス郡の保安官は、「彼(ぺニャニエト氏)は、メキシコに苦痛と悲しみをもたらしている暴力の抑制に集中しようとしている。カルデロン大統領から劇的に変化することになると思う」と語る。

 一方、犯罪が多発するシウダフアレスの若者と活動するNPO団体を率いるフェルナンデスさんは、汚職がまん延したPRIの政権与党時代に逆戻りすると危惧。「彼らは今まで通り、麻薬組織と交渉を行うことで問題を解決しようとするだろう」と、不安を隠せない様子で話した。

 ただ、ぺニャニエト氏が昔のPRIと決別し、シウダフアレスなどの治安対策を強化してくれると期待を寄せる声もある。エルパソのジョン・クック市長は「ぺニャニエト氏は麻薬組織との取引はないと誓った。これはとてもポジティブなニュースだ」と述べた。

 また、大統領選前に麻薬組織の犯行とみられる爆発があったヌエボラレドと国境を接するテキサス州ラレドのラウル・サリナス市長は「慎重ながらも楽観的にならなければならない。ネガティブに考え続けると、事態が好転することはない」と指摘。その上で「彼の計画は知らないが、暴力を減らしたいと言っているのであれば、それは本当だろう」と話した。

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