|
「ペ・ヨンジュン氏のように空港でもみくちゃにされるかと思ったら、あっさり入国できて拍子抜けしました(笑)」
映画『シルミド』のプロモーションで訪日したアン・ソンギの、上記のコメントには笑ってしまいました。国民的俳優が嫉妬するほどの“ヨン様”人気ですが、今回は彼のメガネについてお話しましょう。
映画『スキャンダル』に素顔で出演したことが話題になるほど、トレードマークとして定着していたペ・ヨンジュンのメガネ。「メガネがないので別人のように見えた」と、多くのファンが言ったほどですから、彼のイメチェンは成功したといえるでしょう。メガネは韓国の俳優たちのイメージづくりによく利用される、ファッションを超えた積極的な表現手段なのです。
「ペ・ヨンジュンの目つきには“ずるがしこさ”“意地悪さ”があるが、メガネがそれを和らげてくれる」と言ったのは、『冬のソナタ』のユン・ソクホ監督です。だとすれば『スキャンダル』で演じた狡猾で好色な貴族は、まさにハマリ役であり、彼の役者としての幅を大きく広げたと言っていいでしょう。
韓国通の日本人から「韓国のスターにはメガネをかけた人が多いですね」と言われたことがあります。日本ではお笑い系タレントがコミカルなイメージをつくるために、メガネをかけることはあるものの、メガネの二枚目俳優や美人女優は少ないようですね。
日本と韓国では、メガネに対するイメージが随分違うのかもしれません。
日本では「せっかくの美形がメガネなんて……」というマイナスイメージがあるのでしょうか。タレントでなくても、日本人は積極的にメガネをかけたがらないようですし、どちらかというとコンタクトレンズを好むのではないでしょうか。
でも、韓国は違います。ペ・ヨンジュン以外にも、シン・スンフンやキム・ジョンソなどのミュージシャン、ハン・ソッキュやパク・シニャンなど主役級の俳優にもメガネが目立ち、好感度調査でも、メガネをかけているタレントが上位に来ます。韓国人の目には、メガネがプラスに映るようですね。
李氏朝鮮の時代から、「武」より「文」を偏重してきた社会だからでしょうか、メガネは視力矯正という目的以上に、「知的な」イメージづくりに貢献するようです。特に男性の場合にそれが顕著で、ルックスが多少あかぬけなくても、メガネをかけることによってカッコよく見えるという効果を期待するのです。韓国を訪れる機会が多い人なら、背は高いが太り気味で、けっして都会的とは言えないタイプの男性に、メガネをかけている人が多いことに気づくのではないでしょうか。
韓国ではタレントがかけているメガネが流行することも珍しくありません。
1995年にはドラマ『若者の陽地』でペ・ヨンジュンがかけていた、ブラウン系フレームでレンズが小さいメガネが人気を呼び、2002年には『冬のソナタ』でかけていたレンズ上部にだけフレームがあるメガネが流行しました。『冬のソナタ』のときのメガネは、洗練と柔和なイメージを両立させるために、プロデューサーが1000個以上のメガネの中から選び抜いたものでした。メガネを選ぶことは、俳優とドラマの印象を決定づける大切なポイントなのです。
「目は口ほどに物を言う」は日本の諺ですが、韓国ではまさに「メガネは口ほどに物を言う」というわけですね。
(04/04/15)
|