現在位置:asahi.com>国際>国際支援の現場から> 記事 心温まるハンドメイドに見るスーダンの文化2008年01月29日 JEN@スーダン スーダンに赴任して早4カ月が過ぎました。担当の職務が総務・経理であるため、事務所内での仕事が主ですが、外出の際に南部スーダンの中心都市ジュバの活気あふれる日常を見渡しています。ジュバ市内には、南部スーダン政府の行政機関、ジュバが属する中央エカトリア州の行政機関などが密集しているだけでなく、援助機関の事務所も点在しています。大きな国連関係だけでも地雷(UNMAO)、難民(UNHCR)、教育(UNICEF)、開発(UNDP)、調達(UNOPS)、食糧(WFP)などの機関が集まっています。また、援助関係者以外にも、レストラン経営、ホテル建設など、個人経営の商店や企業が集中しています。外国資本のレストランやホテルも増加の一途をたどっており、商用でジュバに滞在している外国人の姿を見かけることもよくあります。
外国人の一人としてジュバで生活する中で、頭をかかえる問題のひとつが深刻な物不足です。ジュバで見つけることのできる多くの日用雑貨(文房具、食料品、生活雑貨、事務所備品、等々)は、隣国のウガンダやケニアなどを経由してここにやってきます。しかし、インフラ整備が遅れているために、乾季と雨季に分かれるスーダンでは、雨季には交通事情が悪くなり、ライフラインのすべてが滞ってしまいます。たとえば、飲料水として必要不可欠なミネラルウォーターさえも輸入に頼るため、価格が急騰します。また、先日、ケニアの首都ナイロビで発生した選挙関連の暴動によって、ガソリンの値段は3倍から5倍にはね上がりました。 多くの生活物資を輸入に依存するジュバで、私にとってもっとも印象的なことは、現地の人々の生活手段です。たとえば、町中の市場に「揚げドーナツ屋さん」があります。ここでは、炭をつかって火をおこし、ドーナツを揚げてくれます。またジュバ事務所では、国際スタッフの昼食や夕食用に毎月1匹の羊を殺し、細かく切って冷凍庫に入れ保存し、毎食それを調理します。 生まれて初めてニワトリをさばくのを見た時の、生々しい心臓が忘れられません。真っ赤な色をしたとても小さい、親指の先くらいの大きさでした。 一方、日本の食べ物は、いつも安定した品質で、規定の量だけ生産され、納期通りに出荷され、販売されていく、というサイクルが成立しています。この仕組みは、消費者に安定した供給と安心感を与えるだけでなく、利潤を追求する上でも不可欠です。そんな日本での生活に慣れ親しんだ私にとって、ジュバで出会った手作り品の数々は、大いに新鮮であり、目下、興味の対象でさえあります。そして、大量生産された製品ではないハンドメイドの品物に対して有難いと思える心も生まれました。 食べ物だけではありません。ジュバでは現地の多くの人が「トゥクル」と呼ばれる、木と泥と藁で作られた家に住んでいます。ほとんどの場合が手作りで、大掛かりな機械は使いません。JENのジュバ事務所の敷地内にも先日一軒建設しましたが、5人の男性の手で、工事着手から2週間余りで完成しました。出来上がったトゥクルは、レンガなどで造られた家とは違い通気性に優れ、藁を通して、あたかも家自身が呼吸しているかのようです。トゥクル同様に家具も手作りです。事務所に設置している棚は、木製のオーダーメイドです。寸法と形とデザインを伝え、それに合わせて大工さんが作ってくれました。 大量生産の技術や設備がなく、必要なものを隣国からの輸入に依存しているこの国で、深刻な物不足に頭を抱えながらも、実は、手作り感溢れる自然との共存という贅沢な生活をおくっているのではないだろうか、などと思いながら、日中30度をゆうに越える乾季真只中を迎えようとしています。
【メモ】 JENスーダン事務所で働く現地スタッフの誰もが、「教育環境の改善がなければ、復興はありえない」と言います。彼ら自身が教育の機会を寸断され、祖国に帰還した現在でも希望する教育を受ける自由がないことが、実感として大きな障碍となっているからでしょう。それでも彼らは、JENで働くかたわら、それぞれの方法で勉強を続けています。 希望を持って帰還した祖国で、未来を選択する自由を得られるように。JENはスーダン南部の復興を支えていきます。 スーダンの事業についてもっと知る!⇒JENスーダン支援速報
【インフォメーション】 2007年7月に開始したスーダンでの衛生教育事業。ピクチャーカードを使用したり、劇や歌を使って生徒が楽しみながら衛生について学びました。このたび、プロジェクトの立ち上げに携わり、12月にスーダン勤務を終えた浦 香織里が活動の報告をいたします。 報告では、衛生教育で実際に使った教材や、このプロジェクトがもたらす地域への波及効果をご報告します。 加えて、昨年JENが自主制作したスーダンのドキュメンタリーフィルム(「大地に響く歌」製作:JEN、放映時間:20分)も上映します。皆様、ふるってご参加ください。 【詳細】 報告者:浦 香織里(プログラムオフィサー) 場所:JEN東京本部(JR、地下鉄 飯田橋駅徒歩4分) 日時:1月30日 17時45分上映開始、18時30分報告開始、20時終了 定員:25名 ※定員になりしだい締め切らせていただきます。 参加費:JEN&JSC会員無料、非会員500円 お問合せ・お申込みは、電話、E−mailで東京本部事務局(担当:西丸)まで、氏名、ご所属、ご連絡先をお知らせください。 TEL:03−5225−9352 E−mail:info@jen-npo.org 詳しくは、JENホームページをご覧ください。
PR情報国際支援の現場から バックナンバー
|
ここから広告です 広告終わり どらく
鮮明フル画面
一覧企画特集
特集
アサヒ・コム プレミアム朝日新聞社から |