現在位置:asahi.com>国際>国際支援の現場から> 記事

国際支援の現場から

世界から忘れ去られた武力衝突

2008年02月05日

国境なき医師団@インド

 インドでは長年にわたり各地で武力衝突が起きているが、その多くは世界から注目されずにいる。インド全29州のうち13州では「ナクサライト」と呼ばれる毛沢東主義勢力が、少数部族の自治確立や低カースト層の利益擁護を掲げて反政府武装闘争を続けている。2006年、シン首相は40年以上も続くこの衝突を『国家の安全に対する史上最悪の脅威』として警鐘を鳴らしたが、状況に改善は見られず、現在も一般市民が血なまぐさいゲリラ戦に巻き込まれている。とりわけ悲惨な状況にあるのが中部に位置するチャッティースガル州である。国境なき医師団(MSF)は、同州で避難を強いられた人びとが暮らす避難民キャンプで医療を提供するとともに、隣接する州境の村々では移動診療を通じて医療を提供している。

photo

[1](c)Erwin Vantland/MSF

photo

[2](c)Erwin Vantland/MSF

photo

[3](c)Erwin Vantland/MSF

photo

[4](c)Erwin Vantland/MSF

photo

[5](c)Veronique Terrasse/MSF

 [1]チャッティースガル州に点在する23の避難民キャンプのひとつであるインジャラムキャンプで診察を行うMSFの医師。これらの避難キャンプでは、推定5万6000人がまともに医療も受けられないまま、困窮と恐怖の中での生活を強いられている。さらに数千人が、ナクサライトが支配する同州南部の森林地帯に身を潜めている。

 [2]子どもの上腕部を測定して栄養失調の状態を確認するMSFのスタッフ。避難民キャンプでは、食糧不足によって幼い子どもが栄養失調に陥っている。MSFチームは毎週3つの避難民キャンプを訪問して栄養失調児の治療を行い、同時に子どもたちの家族には基礎的な医療を提供している。

 [3]廃墟と化した警察署。チャッティースガル州に隣接するアンドラプラデシュ州マレンペタにて。チャッティースガル州における武力衝突は2005年以降激しさを増しており、多数の死傷者と避難民を生むと同時に、近隣の州への広がりも見せている。MSFは州境の村々を訪問し、一日平均50〜60件の診察を行っている。患者の大半はマラリア、発疹、疥癬(皮膚病の一種)などの症状を訴えている。

 [4]移動診療の診察に訪れた避難民の女性とその子ども。幾度にもわたって村を襲撃され、全てを失って避難してきた。「ここにはもはや自由がありません。森林地帯は危険すぎて、戻りたくても戻れません。子どもたちも殺されています。ここに幸せは存在しません。」

 [5]マンゴーの木が並ぶ一見平和そうな風景だが、ここからわずか数キロ離れた場所では凄惨なゲリラ戦が繰り広げられている。チャッティースガルでMSFのプログラム責任者を務めるロバート・ロウィスはさらなる援助の必要性を訴えている。「森林地帯の奥深くには医療を必要としている人が大勢います。近い将来、彼らのもとへ援助が届けられるよう、活動が拡大できることを願っています。」

MSFのインドにおける活動の詳細はこちらから


【インフォメーション】

■2007年、10の最も報じられなかった人道的危機

国境なき医師団は毎年、年間を通じて世界で最も注目を浴びず、報道されることの少なかった人道的危機ワースト10のリストを発表しています。その目的は、メディアの関心の外側で、出口の見えない危機にとらわれ続ける人びとの窮状を訴えることにあります。内戦で民間人が戦火にさらされるスリランカ、人道危機がいまだに去らないチェチェン、武力衝突で苦境に陥る中央アフリカ共和国の一般市民など、世界にはニュースに流れない危機が存在します。特集ページはこちらから。

■命を救うために毎日できることは何だろう。

「1日50円キャンペーン」は、1日あたり50円または任意の金額を、1カ月ごとに口座から振り替えていただく継続的なご寄付の方法です。安定した資金が確保できるため、緊急事態へのより迅速な対応が可能となり、またより長期的な視野に立ったプログラムづくりを可能にする支援方法です。ぜひご参加下さい。お申し込みはこちらから。

■グリーティングカード 発売中

世界の風景や子どもたちの愛らしい笑顔を集めた、MSFのグリーティングカードをウェブサイトで販売しています。収益金はMSFの活動のために活用されます。ご購入はこちらから。

■海外派遣スタッフ 参加者募集中

MSFでは、活動に参加できる海外派遣スタッフを常時募集しています。医師、看護師、助産師、臨床検査技師、臨床心理士、薬剤師のほか、非医療系ではロジスティシャン(建築、水・衛生管理、電気、通信、機械、車両、物資輸送などの専門家)、アドミニストレーター(財務・人事管理責任者)を募集しています。

毎月、派遣希望者を対象に海外派遣スタッフ募集説明会を開催しています。

次回は2月8日(金)18:30〜20:30、3月14日(金)18:30〜20:30に東京で、3月8日(土)13:30〜15:30に大阪で開催します。

参加希望の方は、事前に参加申込みフォーム又はお電話にてお申込みください。海外派遣に関するお問い合わせはリクルート担当へ。TEL:03-5337-1499/recruit@tokyo.msf.org

■国境なき医師団 メールマガジン

MSFの活動状況や海外派遣スタッフ募集などの情報を、不定期(月一回程度)に、テキスト形式およびHTML形式のメールでお届けします。購読は無料です。是非お申し込みください。お申し込みはこちらから

PR情報

国際支援の現場から バックナンバー

バックナンバー

このページのトップに戻る