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南スーダン:新しい国を襲う人道的危機

2012年1月18日

  • 国境なき医師団@南スーダン

写真長い内戦を経て分離独立した南スーダンでは、対立する住民間で武装解除が進まず、報復攻撃の激化により、暴力の連鎖が続いている写真衝突では、武装集団が茅葺き(かやぶき)屋根に火を放ち、民家の焼き打ちを行うため、多くの人びとが避難民となる写真ジョングレイ州ピボール周辺で発生した武力衝突の影響で、着の身着のまま避難する人びと写真2歳未満の乳幼児は、栄養失調で命を落とす可能性が特に高い。今も、多くの親子が、食料もないまま避難生活を送っている写真ピボールにあるMSFの病院で、生まれたばかりのわが子を見つめる母親写真昨年、大みそかの武力衝突で略奪を受け、破壊されたMSFの診療所

 世界で一番新しい国、南スーダン共和国は、2012年1月9日に独立から半年の記念日を迎えました。その一方で、首都ジュバから300キロ以上離れた、東部のジョングレイ州ピボールでは、昨年末から対立勢力間の武力紛争が激化しています。国連の推計によると、6万人以上の人びとが、水や食料さえ手に入れることができずに、極度の混乱の中で避難生活を強いられています。

 国境なき医師団(MSF)は、20年以上続いた内戦が終結した2005年から、ジョングレイ州を含む同国内の周辺地域で、外科治療や母子保健、避難民・帰還民への援助などを無償で提供しています。内戦終結後も、対立勢力の間では火種がくすぶり、南スーダンの東部地域では、2009年ごろから、激しい武力衝突により、多くの人びとが死傷する事態が発生しています。

 もともとこの地域では、人びとの財産である牛をめぐり、対立関係にある住民の間で窃盗事件が起きていました。しかし、長期にわたる内戦の影響で、かねてからの貧困に拍車がかかったうえに、銃などの武器が流入したことにより、近年では大規模な襲撃が繰り返される事態に発展しています。病院には、槍(やり)などで刺し傷を負った争いの当事者のみならず、女性や子どもを含む大勢の患者がやってくるようになりました。血で血を洗う武力衝突が、多数の犠牲者を生んでいます。 

 こうした紛争で特に深刻な犠牲者となるのは、子どもや高齢者、妊産婦や病人といった、最も弱い立場にある人びとです。焼き打ちで家を失い、家族とも離れて逃げまどううちに、結核などの感染症が悪化してしまう患者や、栄養失調に陥る子どもたちの容体が懸念されます。多くの人びとは、森や茂みの中に隠れているため、重篤(じゅうとく)な症状に陥った患者にとっては、致命的な状況です。人びとは孤立し、人道援助が届かない環境で息を潜めて生活しています。

 昨年末に激化した紛争で、ピボール周辺で暮らす16万人の人びとにとって唯一の医療機関である、MSFの診療所3カ所が略奪や破壊に遭いました。一番近い別の診療に行くためには、およそ100キロの道のりを移動しなければなりません。MSFの南スーダンにおける活動統括責任者、コレット・ガデンヌは話します。

 「ピボール周辺では不安が高まっています。MSFスタッフを含めた多くの人が、最悪の事態を想定しながらも、森や茂みに隠れ、離れ離れになった家族を捜しています」

 衝突を受けて一時退避していた国境なき医師団(MSF)のスタッフは、1月7日に活動を再開しましたが、医療設備や薬は現在ほとんど使用不可能なため、急患への対応が非常に困難です。

 MSFは、ピボールの医療チームが迅速に活動を再開できるよう、薬や医療物資など1トン以上の援助物資を空輸しています。分離独立を経たのちも、南スーダンでは、いまだ緊迫した状態が続いています。

★☆★ インフォメーション ★☆★

●特集:南スーダン共和国、独立

 2011年7月9日、南スーダン共和国独立までの、MSFの同国内における活動を特集で振り返ります。MSFは1979年からスーダンで活動しています。現在の南スーダン共和国にあたる地域では1983年から、近年、対立勢力間の武力衝突が激化しているジョングレイ州周辺でも2005年より活動を展開しています。2010年には、南スーダン全体で58万件以上の外来診療を提供しました。特集では南スーダンの現状を、写真やスタッフのインタビューを交えてお伝えします。

【いただいた寄付金でできること】

○3000円で、120人に1カ月分の基礎医療セットを用意できます。 

○5,000円で、20人のけがをした子どもに、感染から守るための抗生物質を用いた治療ができます。

○10,000円で、栄養失調の子どもたちに、毎月300食の栄養治療食を提供できます。

○30,000円で、けがややけどを負った人の治療のために、医療用包帯を150セット用意できます。

○50,000円で、けが人を感染から守る、抗生物質200人分を用意できます。

■「毎月の寄付」■

 1日あたり50円、または任意の金額を、1カ月ごとに口座から振り替える継続的な寄付の方法です。安定した資金が確保できるため、緊急事態への迅速な対応や、より長期的な視野に立ったプログラムづくりを可能にする支援方法です。ぜひご参加ください。お申し込みはこちら

■ファミリーマートでも寄付ができます■

 MSFへの寄付が、全国のファミリーマートに設置されている「Famiポート」から、24時間いつでも手軽にできるようになりました。寄付額は1000円、3000円、5000円、10000円からお選びいただけます。手数料はかかりません。「Famiポート募金」はこちら

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