オバマ米大統領は12月31日、2012会計年度(11年10月〜12年9月)の国防権限法案に署名し、同法が成立した。核開発問題をめぐるイランへの制裁強化のため、収入源である原油輸出に打撃を与えられる新たな措置が盛られており、大統領の判断で発動できる。
新たな制裁は、原油の輸出入でイラン中央銀行と取引する米国外の金融機関を、米国の金融システムから締め出す内容。原油取引でイラン中央銀を使う日本や中国、欧州各国にイラン産原油の輸入からの撤退を迫り、イランの収入源に打撃を与えることを狙う。
ただ、制裁の発動でイラン産原油の輸出量が急減した場合、輸入国が原油不足に陥ったり、油価が世界的に高騰したりしかねない。このため、米大統領が「米国の安全保障上不可欠」と判断すれば制裁を最大4カ月間停止できる運用上の余地も残した。また、イランとの原油取引に絡む決済を大きく減らした金融機関は制裁を免除される。
同法ではまた、在沖縄海兵隊のグアム移転費約1億5600万ドル(約120億円)が全額削除された。(ワシントン=望月洋嗣)