【モスクワ=副島英樹】ロシアがウクライナ経由の欧州向け天然ガスの供給を再開したものの、再び中断した問題で、ウクライナの国営ガス企業ナフトガスは14日、ロシアが指定したパイプラインの輸送ルートを使えば自国内のガス供給に支障が出るとして、別ルートへの変更を求めた。さらにチモシェンコ首相は同日、パイプラインの圧力維持に必要なガスもロシアが供出するよう要求した。
経済的負担の軽減を狙うウクライナの新条件提示で、事態は膠着(こうちゃく)。欧州への供給回復のメドは立っていない。
ロシアの政府系企業ガスプロムは13日朝、バルカン諸国に至るパイプラインにガスの供給を再開。日量7600万立方メートルを送る予定だったが、約3時間後、約150万立方メートルを送った段階でガスが進まなくなった。送り済みのガスも欧州には届いていない。
ガスプロムは、ロシアの指定したパイプラインは欧州への輸出用ルートだったのに、1日からウクライナが国内用に転用していたと指摘。「その時点から欧州への中継輸送をする気はなかった証しだ」と批判している。
ロシアのプーチン首相は14日、ブルガリアやスロバキアなどガス輸入国の首相らを招き、「ウクライナによる妨害だ」と改めて主張した。