【ローマ=石田博士】イタリア北部ミラノ地裁は7日、ベルルスコーニ前首相(76)に対して、通信の秘密を侵した罪で禁錮1年(求刑同)の有罪判決を言い渡した。収監されるわけではないが、同氏に対しては今月さらに二つの刑事事件の判決が控えており、不安定な政治情勢に影響を与える可能性がある。
ベルルスコーニ氏は、対立する左翼民主党の書記長だったファッシーノ・現トリノ市長と保険会社幹部の通話内容を違法に入手し、新聞社を経営する弟パオロ氏に漏らしたとされる。昨年2月に起訴された。
判決はベルルスコーニ氏とパオロ氏に対し、ファッシーノ氏への慰謝料8万ユーロ(約970万円)を支払うことも命じた。
ベルルスコーニ氏はこの判決に、「許しがたい政治的迫害だ」といつもの司法批判を繰り返した。
イタリアは三審制。また75歳以上の被告に対しては2年以下の禁錮刑であれば執行されない。ただ前首相には、昨年10月に禁錮4年と公職追放5年の一審判決を受けた税金詐欺事件の控訴審判決や、少女買春事件の一審判決が3月中にさらに予定されている。
ベルルスコーニ氏率いる中道右派連合は、2月末の総選挙で「緊縮策反対」を唱えて、首位の中道左派連合に肉薄。中道左派は辛勝したが、政権樹立のために連立工作を迫られている。
中道左派は今のところベルルスコーニ派との連立を拒否。汚職一掃や政治倫理の確立を「共通目標」として、新興勢力の「五つ星運動」との連携を図っている。
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朝日新聞国際報道部