【ワシントン=梅原季哉】ブッシュ米大統領は10日午前(日本時間11日未明)、ホワイトハウスで国民向けに演説し、イラク駐留米軍の撤退は今年7月でいったん中断し、その後の派兵については、情勢判断のための期間として少なくとも45日間を置いてから状況に応じて決定することを正式に発表した。
ペトレイアス司令官の8日の提言を受け入れた。ブッシュ氏は増派の成果を指摘しつつ、「イラクは米国にとっての2大脅威の(国際テロ組織)アルカイダとイランが集まる地点だ」と、派兵継続の必要性を主張。「ペトレイアス司令官には、必要なだけ時間をかけて判断してよいと指示した」と述べ、今夏時点での約14万人からさらに大幅に兵力を削減するかどうかは現地の状況次第で、事前に撤退日程を定めることはしないという立場を強調した。
ブッシュ氏は同時に、今年8月以降、イラクとアフガニスタンについて1回の派兵で課せられる陸軍兵士の駐留期間を、現行の15カ月から12カ月まで短縮させる方針を明らかにした。以前は12カ月だったのを、07年のイラク増派戦略を支える一環として延長。だが、度重なる派兵による前線の兵士や家族らの精神的、社会的な負担の大きさが指摘されていた。
米軍は昨年9月、治安改善を理由に増派戦略を一部見直し、昨年末から部分撤退を始めていた。だが、ペトレイアス司令官は8日、今年7月に増派分の撤退が完了した段階でいったん中断し、45日間の「情勢の集約・評価期間」を置くよう求めていた。