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スリランカ内戦、今年の死者3千人超 市民にテロ被害

2008年04月27日21時26分

 【ニューデリー=小暮哲夫】政府軍と少数派タミル人の武装組織「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」の内戦が続くスリランカで、今年の戦闘での死者数が25日までに3千人を超え、市民の犠牲も139人に達した。政府は停戦を破棄した1月、「年内にLTTE壊滅」の楽観論を示したが、内戦が長引く可能性が出ている。

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スリランカのコロンボ近郊で26日、前日に起きたバス爆発テロの犠牲者の遺留品の整理が進められる中、捜査を行う警察官=AP

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 コロンボ近郊で25日夕、路線バスを狙った爆破テロの死者は最終的に26人に上った。

 国防省報道官によると、LTTE2794人、政府軍337人が25日までの戦闘で死亡。このほか同時期に市民139人が戦闘やテロの巻き添えになって死亡した。要人や市民を狙ったテロは、兵力で劣るLTTEが社会不安をあおる手段としてかねて利用。政府の攻勢が、かえってテロを増やす悪循環が起こり始めている。ラジャパクサ大統領は26日、「戦場で後退を余儀なくされているテロリストが、罪のない市民の殺害に再び訴えた」と非難した。

 政府軍はLTTE支配地域の北部キリノッチ、ムライティブ両県へ4方向から攻撃を続ける。だが、抗戦や地雷などの影響で大きく進軍できていない。政府軍筋は1月、LTTEの兵力を「4千人」と推計していた。推計と死者数が正確ならば、LTTEは兵力の大半を失ったはずだが抗戦はやまない。27日未明にはLTTEの軽飛行機2機が政府軍前線を狙って爆弾3発を投下。被害はなかったが、なりを潜めていた「LTTE空軍」の健在ぶりを示した。政府内から「内戦終結まで1年半」との見方も出始めた。

 NGO「国民平和評議会」のペレラ理事は「政府はLTTEを過小評価していた」と指摘する。LTTEの支配地域には約30万人が住み、1世帯から1人ずつ強制的に徴用すれば、数万人が動員可能だ。LTTEが精鋭部隊を温存しているとの見方もある。

 内戦が長期化の様相を見せ始めたうえに、一般市民の被害も続く事態に、国際社会からは政府に対話を促す圧力が高まる。国際赤十字は「市民の被害はあきれるほどのレベルに達している」と非難。欧州連合(EU)からは、年末が期限となっているスリランカからの衣料品への特恵関税を「延長すべきではない」との声も聞かれる。

 3月の消費者物価指数は世界的なインフレと内戦の影響で前年同月比で28.1%増。内外の圧力で、政府の強硬姿勢が変更を余儀なくされる可能性もある。

     ◇

 〈スリランカ内戦〉 仏教徒が多い多数派シンハラ人を中心とする政府が50年代以降、シンハラ語の公用語化や仏教保護政策を推進。少数派でヒンドゥー教徒が多いタミル人は反発し、70年代から分離独立運動を開始。83年ごろからタミル人が多い北部・東部で、政府軍と分離独立を目指す反政府武装勢力のLTTEとの間で内戦になった。これまで双方で7万人が死亡した。

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