聖火リレーの沿道でプラカードを掲げる親中派の人たち=2日午前、香港・九竜、中田徹撮影
聖火リレーのコース周辺で人権問題を訴えるグループに向かって「中国加油(がんばれ)」を連呼する市民=2日午前11時すぎ、香港・九竜、中田徹撮影
【香港=奥寺淳、野嶋剛】中国全土をめぐる北京五輪の聖火リレーが2日、香港で幕を開けた。大陸と異なり自由が保障され、過去に数々のデモの歴史を刻んできた香港だが、政府は人権活動家の入国を拒み、リレー直前にチベット支援者を拘束。中国の国旗と香港の旗で赤く染まった。
午前10時、九竜・尖沙咀(チムシャツイ)でトーチに火がともった。中国人留学生らが街頭を埋め尽くし国歌を斉唱。チベット独立の旗を見つけると多数の国旗で覆いかぶせた。
「なぜ。私たちは異なる意見を言っているだけ」。香港大哲学科の陳巧文さん(21)が再びチベットの旗を示そうとすると、警察が陳さんの両手足を抱え連行した。警察は「本人の身の安全と公衆の秩序を守るため」と説明。計10人を一時拘束したという。
天安門事件の追悼集会を毎年開く団体も「中国政府はチベットと対話を」とデモをした。しかし、約8時間、119人でつないだリレーに混乱はなく、北京五輪組織委員会の楊樹安副主席は「香港市民の熱情のおかげで成功した」とたたえた。
街頭を赤く染めたのは、中国人留学生や大陸から応援ツアーで来た人々に加え、インターネットを通じて集まった香港人もいた。「愛国愛港(中国を愛し香港を愛する)」と声を上げ、中国批判をする人に詰め寄った。
聖火は空路でマカオに運ばれ、3日午後に聖火リレーが開かれる。