胡主席が早大で講演 円借款に謝意、「未来志向」も強調2008年05月08日21時15分 中国の最高指導者として10年ぶりに日本を訪問している胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は8日、早稲田大で講演し、日本の対中円借款が中国の近代化に積極的な役割を果たしたとして謝意を表した。そのうえで、日本の一連の対中支援は「永遠に銘記される」と語った。
中国製冷凍ギョーザ中毒事件など対立の火種が絶えない中、日本の貢献に対する評価を明言することで、日本だけでなく中国の国民にも互恵関係を構築する必要性を訴えた形だ。 中国の指導者では、温家宝(ウェン・チアパオ)首相が昨年4月に来日し、国会で演説した。その際、中国の近代化や経済発展に対する日本の支持に対し「中国の人民はいつまでも忘れない」と語ったが、対中円借款には言及しなかった。胡主席の発言は、一歩踏み込んだ。 胡主席は、日中関係について「相手の発展は脅威ではなく、チャンスだ」と指摘。一方だけが勝者になる「ゼロ・サム」ではなく、双方に利益となる「ウィン・ウィン」の関係を構築すべきだとの考えを強調した。 10年前、当時の江沢民国家主席が同大で講演した際は「歴史問題」を強調。日本社会の対中感情を悪化させる一因となった。 これに対し、胡主席も「不幸な歴史」「歴史は最も哲理に富んだ教科書」などの表現で触れたものの、日本の軍国主義は中国だけでなく日本の国民も傷つけたとした。「過去」よりも「未来」に重点を置き、「友好の旗印を子供たちの世代に伝えなければならない」と指摘。若い世代の交流を強化する必要性を訴え、早大生100人を招待する計画も発表した。 また、「中国は発展を遂げたが、依然として世界最大の発展途上国であることも、はっきり認識している」と述べた。そのうえで「発展の中で生じた矛盾や問題は、その規模も複雑さも世界でまれにみる」と語った。 さらに「中国はいかなる国の脅威にもならず永遠に覇権を唱えない」と述べ、中国の国防費の急速な伸びなどから国際社会に根強い「中国脅威論」の払拭(ふっしょく)に努めた。 この講演は中国中央テレビが中国全土に生中継した。(坂尻信義) PR情報この記事の関連情報国際
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