2011年6月1日5時1分
中国内モンゴル自治区で遊牧民が炭鉱労働者の車にひき殺されたことに反発するモンゴル族住民による抗議のデモは、国外のインターネットサイトや携帯メールを通じて広がった。ネットの普及が可能にした「リーダーなき反抗」に、当局は神経をとがらせている。
中心都市のフフホト市では5月31日も広場や大学で厳戒態勢が続いた。30日に大規模なデモ予告があった新華広場は31日も武装警察と警察が警戒線を張って封鎖。モンゴル族学生の多い民族学院では引き続き学生の外出を原則禁止、学生が守衛を取り囲んで抗議する場面もあった。
当局が緊張を緩めないのは、ネットを通じていつデモが再発するか分からない危機感があるからだ。
遊牧民が石炭を運ぶ車にひき殺されたのは10日の夜。国内メディアは一切報じなかったが、フフホト市内の教育機関に勤務する50代のモンゴル族男性は13日、米国や香港のサイトで知った。本来、中国国内からはアクセスできないが、規制をかいくぐる特別なソフトを通じて、毎日のように閲覧していた。
4日後の17日には、職場の親しい同僚が「見てみろ」と携帯電話を開くと、事件を知らせるショートメールが入っていた。発信者は不明。翌18日には男性の携帯に「30日にフフホトの新華広場でデモをやろう」との呼びかけが入った。
男性は「極めてデリケートな政治問題で、モンゴル族同士でもむやみに口に出さなかった。だが、何が起きているのか誰もが知っており、事態の推移を見守っていた」と話す。